LGR除湿機の仕組みとは?家庭用除湿機との違いを解説
水害や漏水のあと、家庭用除湿機を回し続けても建物がなかなか乾かないと感じたことがあるかもしれません。
これは家電の性能不足ではなく、コンプレッサー式の家庭用除湿機が低い絶対湿度域で除湿効率を落とす物理的な限界によるものです。
IICRC S500に基づく構造乾燥では、LGR(Low-Grain Refrigerant、低グレイン冷媒式)と呼ばれる業務用除湿機が標準的に使われます。
空気対空気熱交換器で吸気をあらかじめ冷やす二段階冷却によって、一般的な冷媒式除湿機が除湿を継続できなくなる40〜50 GPP前後の水準を下回っても、35 GPP前後の低グレイン域まで水分回収を続けられる点が最大の特徴です。
本記事ではLGR除湿機の仕組みと家庭用除湿機との違い、米国の業界標準であるIICRC S500が定める乾燥目標との関係、自力対応の限界を整理します。
管理会社・保険の損害サービス担当者・原状回復業者など法人の実務担当者が、乾燥工程の判断基準を理解できる内容です。
目次
1.家庭用除湿機で水害後の建物が乾かない理由
ここで扱うのは生活空間の快適性を保つための除湿ではありません。
建材内部に浸透した水分を復旧基準まで下げる構造乾燥の話です。
家庭用除湿機で建物が乾きにくい理由は、物理的な原理に由来しており、機器の品質の問題ではありません。
- コンプレッサー式は空気が乾くほど除湿効率が落ちるから
- 建材内部の水分は湿度を下げるだけでは抜けきらないから
- 水害後に必要な水分回収量に対して除湿能力が小さいから
3つの理由を順番に確認していきます。
理由1.コンプレッサー式は空気が乾くほど除湿効率が落ちるから
家庭用除湿機の大半はコンプレッサー式(冷媒式)で、冷媒コイルに触れた空気を冷やして結露させることで水分を回収します。
この方式の物理的な限界は、空気中の水蒸気量が少なくなるほど結露が起きにくくなる点です。
一般的なコンプレッサー式は、目安として相対湿度が45〜50%前後まで下がると除湿量が大きく低下し、それ以上乾燥を進めることができません。
家庭用除湿機が想定するのは生活環境の快適な湿度維持(40〜55%程度)であり、それより乾燥した環境での稼働は設計の対象外となります。
水害後の構造乾燥では、建材内部の水分を引き出すために空気をさらに低い湿度状態まで持ち込まなければなりません。
そこに至ると家庭用除湿機は本来の力を発揮できず、除湿が停滞した状態が長引きます。
理由2.建材内部の水分は湿度を下げるだけでは抜けきらないから
水害時に建材が吸った水分は自由水と結合水のかたちで内部に保持され、毛細管現象によって深部へ引き込まれるため、周囲の空気の湿度を下げるだけでは容易には引き出せません。
毛細管現象とは、細い管状の空隙を水が吸い上げる現象です。
木材や石膏ボードなどの多孔質素材は、この現象によって水分を深部まで引き込み、しかも容易には手放しません。
さらに、素材の分子構造に吸着した水分(結合水)は、単なる蒸発では除去が難しい状態です。
木材柱の含水率は水害後に25〜35%に達することがありますが、乾燥目標は部材によって異なり、木材枠でおおむね16%未満、木材床材で11%前後が目安になります。
家庭用除湿機による自然乾燥では、周囲の相対湿度と釣り合う平衡含水率(目安として9〜10%程度)で下げ止まりやすく、体感で「乾いた」と感じても乾燥目標に届いていない状態です。
家庭用除湿機で周囲の相対湿度を下げても、建材内部との蒸気圧差が不十分であれば、水分は放出されずに素材内にとどまったままになります。
「家庭用除湿機を回し続けても建物が乾かない」という体感の正体が、まさにこの水分保持の構造です。
理由3.水害後に必要な水分回収量に対して除湿能力が小さいから
家庭用除湿機と業務用LGR除湿機では、1日あたりの除湿量に10倍以上の開きがあります。
家庭用機器が実際の使用環境で回収できる水分は、1日あたり数リットル程度です。
対して業務用LGR除湿機は1日数十リットル規模の水分を回収でき、処理能力の桁が異なります。
水害後の現場では、壁・床・天井・断熱材が大量の水分を保持しており、それを数日単位で復旧基準まで下げるには相応の除湿能力が必要です。
家庭用除湿機のみで乾燥を試みた場合、数週間以上かかることも珍しくありません。
水分活性(aw)とは、微生物が利用できる水分の割合を示す指標です。
乾燥に時間がかかるほどaw値が高い状態が続き、カビ増殖のリスクが高まります。
米国の業界標準であるIICRC S500が含水率・GPPの日次管理を求めるのは、この時間的なリスクに対処するためです。
2.LGR除湿機とは
LGRという略語の意味と、家庭用除湿機との根本的な違いを整理する章です。
略称の意味を知っておくと、業者の見積書や作業報告書に書かれた機材の種類を判断する視点が持てます。
- 低い絶対湿度でも稼働し続けるよう設計された業務用除湿機であること
- 家庭用・普及型業務用との除湿能力の差が大きいこと
それぞれ詳しく見ていきましょう。
特徴1.低い絶対湿度でも稼働し続けるよう設計された業務用除湿機であること
LGRはLow-Grain Refrigerantの略で、低グレイン(低絶対湿度)環境でも稼働できる冷媒式であることを示す言葉です。
GPP(Grains Per Pound)は空気中の絶対湿度を示す単位で、1ポンド(約450g)の乾燥空気に含まれる水蒸気量をグレインで表します。
一般的なコンプレッサー式除湿機が苦手とする低いGPP域でも水分回収を続けられるよう、吸気の予冷機構を追加した業務用冷媒式除湿機がLGR除湿機です。
水災復旧の現場で「業務用除湿機」と呼ばれる機材の多くがこのLGR方式であり、IICRC S500に基づく乾燥工程の主力機材として位置づけられています。
特徴2.家庭用・普及型業務用との除湿能力の差が大きいこと
家庭用除湿機が1日に回収できる水分は数リットル程度ですが、LGR除湿機は同じ時間で数十リットル規模の水分を回収できます。
この差は単純な能力の大小ではなく、そもそも想定している用途が異なることの表れです。
家庭用機器は生活空間の相対湿度を快適な範囲に保つことを目的に設計されており、建材内部から強制的に水分を引き出す用途には向いていません。
LGR除湿機はエアムーバー(送風機)と組み合わせることで建材内部の水分を効率的に引き出せます。
この除湿能力の差こそが、乾燥にかかる日数の差に直結する要因です。
3.LGR除湿機が低い絶対湿度でも除湿を続けられる仕組み
この章では、本記事の核心であるLGR除湿機のメカニズムを解説します。
この章を理解すると、なぜ業者がLGR除湿機を選ぶのか、そしてLGRにも苦手な環境がある理由が明確です。
- 空気対空気熱交換器で吸気を予冷する二段階冷却構造だから
- 排気の冷熱を吸気の予冷に再利用しているから
- 一般的な冷媒式が停止するGPP40前後を下回っても動作するから
一つひとつ掘り下げます。
理由1.空気対空気熱交換器で吸気を予冷する二段階冷却構造だから
LGR除湿機の特徴的な構造は、吸気が主蒸発器(メインコイル)に入る前に、まず空気対空気熱交換器(プレクーラー)を通る二段階冷却にあります。
一般的なコンプレッサー式では、湿った空気をいきなり冷媒コイルに当てて結露させる一段階の方式です。
空気中の水蒸気量が少なくなると、コイルが空気を露点(結露が始まる温度)まで冷やしきれなくなり、除湿が停滞します。
LGR除湿機に内蔵されたプレクーラー(一次冷却段)が、この問題への答えです。
湿った吸気はまず空気対空気熱交換器を通ることで事前に温度を下げ、その後メインの蒸発器コイルに渡ります。
すでに温度が下がった状態でコイルに接触するため、露点への到達が容易になり、乾いた空気からも水分を取り除ける状態です。
この二段階冷却が、低GPP環境での稼働を可能にする構造上の根拠になります。
理由2.排気の冷熱を吸気の予冷に再利用しているから
LGR除湿機では、除湿後に排出される冷たく乾いた空気の冷熱を、吸気側の予冷に再利用する熱交換の仕組みが組み込まれています。
この冷熱を戻す経路は、理由1で説明したプレクーラー、つまり空気対空気熱交換器そのものです。
除湿を終えた排気には冷たく乾いた空気が含まれており、これをそのまま放出するのは冷熱の損失にほかなりません。
この冷熱をプレクーラーを通じて吸気の温度を下げる用途に転用する点が、LGRの効率設計の核心です。
冷熱の再利用により、外部からの追加エネルギーを大幅に増やさなくても吸気を露点付近まで冷やせます。
コンプレッサーへの負荷を増やさずに除湿能力を引き上げられる点が、LGRが業務用除湿機の主流となった理由の一つです。
理由3.一般的な冷媒式が停止するGPP40前後を下回っても動作するから
一般的なコンプレッサー式除湿機は、GPPがおおむね40〜50前後まで下がると除湿を継続しにくくなりますが、LGR除湿機はその水準を下回る35 GPP前後の低グレイン域まで稼働を続けられます。
乾燥工程が進むほど室内の水蒸気量が減り、GPPは下がっていくのが自然な流れです。
普通のコンプレッサー式はこの段階で除湿の効果を失い、乾燥の停止は免れません。
LGR除湿機は理由1・2で説明した空気対空気熱交換器と排気冷熱の再利用によって、この低GPP域でも露点に近いコイル温度を維持できます。
その結果、一般的な冷媒式が停止するような湿度環境でも水分回収を続け、乾燥目標への到達が可能です。
乾燥後半こそLGR除湿機が本来の力を発揮する局面であり、この特性が構造乾燥における実務上の選択理由になります。
4.LGR除湿機とデシカント除湿機の使い分けの線引き
LGR除湿機は現場によっては力を発揮できない条件があるのも事実です。
使い分けを知ることで、業者が採用する機材構成の妥当性を判断する際の基準が明確になります。
- LGRが適する温度帯と現場
- デシカント式でなければ乾かない低温・極低湿度の現場
- 現場の状況に応じてLGRとデシカントを併用する判断基準
それぞれの判断軸を以下で示します。
線引き1.LGRが適する温度帯と現場
LGR除湿機が効率よく機能する温度帯は、おおむね21〜32℃程度が目安です。
この温度帯では、空気対空気熱交換器の二段階冷却が設計どおりの除湿能力を発揮します。
一般的な漏水や台風・大雨由来の水害現場、石膏ボードや木材枠が主体の標準的な内装材構成であれば、LGR除湿機が主力機材として適した環境です。
カーペットや断熱材など多孔質素材を含む一般的な水害現場はこのカテゴリに入り、LGR除湿機を主体として乾燥計画を組み立てるケースが大多数を占めます。
線引き2.デシカント式でなければ乾かない低温・極低湿度の現場
LGR除湿機は低温環境(目安として15〜16℃以下)では除湿効率が著しく落ち、無暖房の冬季施設やコンクリート躯体の乾燥では力を発揮しにくくなります。
低温環境ではコイルに霜がつきやすく、熱交換の効率が落ちて水分回収が滞るためです。
デシカント式は吸着剤(シリカゲル等の乾燥剤)で水蒸気を吸着する方式で、温度の影響を受けにくく、極めて低いGPP域でも稼働できます。
コンクリート躯体・硬材床板・石材など密度の高い素材は乾燥の難度が高く、LGRだけでは乾燥目標への到達が困難なケースも少なくありません。
このような現場ではデシカント式が必要な機材です。
線引き3.現場の状況に応じてLGRとデシカントを併用する判断基準
大規模な水害現場では、LGRとデシカント式を同時または切り替えながら使う併用が有効な場合があります。
乾燥の初期段階では、空気中の水蒸気量が多く、LGRが効率的な水分回収を担う局面です。
乾燥が進んでGPPが低下した段階や、コンクリートスラブなど密度の高い素材の追加乾燥が必要な段階では、デシカント式への切り替えや追加投入が必要になります。
どの時点で機材を組み替えるかはモニタリングの結果に基づく判断であり、日次の温度・相対湿度・GPP・建材含水率の計測記録が根拠です。
体感や経過日数だけで機材を変える判断は、IICRC S500が求める計測ベースの乾燥管理とは相容れません。
5.LGR除湿機の性能を確認する方法
業者が持ち込んだ機材が実際に機能しているかを、実務担当者が確認できる視点を整理する章です。
この章を理解すると、乾燥工程の進み方について業者に的確な質問ができる判断の基準が身につきます。
- 吸気口と排気口のGPP差を計測する
- IICRC S500の乾燥目標と照らし合わせる
- 最終判断は建材含水率の低下で行う
順を追って解説します。
確認1.吸気口と排気口のGPP差を計測する
LGR除湿機の稼働確認として、吸気口と排気口でそれぞれGPPを計測し、その差(グレイン差)が出ているかを確認する実務があります。
吸気より排気のGPPが低ければ、除湿機が水分を回収している証拠です。
このグレイン差の大きさが除湿能力の目安として使われる場面があります。
計測には温湿度計を吸気口・排気口の両方に当て、GPP値を読み取る手順が必要です。
GPPの計算には乾湿球温度や相対湿度のデータが必要なため、サイコロメトリーの基礎知識か対応した計測器が求められます。
「吸気口と排気口のGPPを日次で記録していますか」と問い合わせ時に確認することも、業者の技術水準を見極める一つの視点です。
確認2.IICRC S500の乾燥目標と照らし合わせる
米国の水損害復旧業界標準であるIICRC S500は、乾燥工程の管理項目として温度・相対湿度・GPP・建材含水率の日次計測と記録を求めています。
この記録が乾燥工程の進捗の証跡となり、保険査定でも重要な資料です。
計測記録があるかどうかを業者選定の確認事項にすることをおすすめします。
「乾燥目標(ドライングゴール)」とは、被害を受けていない同一建物の基準材料と同等の含水率まで戻すことを指し、経過日数ではなく計測値で判断するものです。
WRT(Water Damage Restoration Technician)・ASD(Applied Structural Drying)の認定を受けた技術者が在籍する業者は、このサイコロメトリー管理を標準的な手順として実施できます。
加えて、作業内容と目的を詳細に説明できるか、見積書・報告書に工程・目的・費用が明記されているかも、業者選定の判断軸のひとつです。
確認3.最終判断は建材含水率の低下で行う
グレイン差(吸排気のGPP差)は除湿機の稼働確認には有用ですが、乾燥完了の最終判断には使えません。
グレイン差は測定する温湿度計の誤差や機材の処理風量の違いによって数値がばらつきやすく、「グレイン差が大きい=乾燥が進んでいる」とは必ずしも言えないためです。
欧米の業界メディアでも、グレイン差はIICRC S500の正式な乾燥完了指標として定義されていない点が指摘されています。
IICRC S500が示す最終指標は、建材含水率の低下と乾燥環境の継続的な制御です。
含水率計を使って木材枠や石膏ボードの数値を計測し、乾燥目標(建材種別の基準値)に到達していることを確認することが、乾燥完了の客観的な根拠になります。
6.自力の乾燥対応と専門業者への相談が必要な状態の線引き
どこまで自力で対応できるか、どこからが専門業者への相談が必要な状態かを整理します。
この判断を誤ると、表面は乾いているように見えても内部にカビが発生し、後から大きなコストがかかる事態になりかねません。
- 自力で対応できる範囲
- 不十分になりやすい自己流の対応
- 専門業者への相談が必要な状態
各項目の中身に入ります。
線引き1.自力で対応できる範囲
水源が清浄水(上水道の配管破裂や漏水など)で、被害が小規模(数平方メートル以内)かつ数時間以内に発見した場合は、初期対応を自力で行うことに一定の効果があります。
この段階の応急対応として有効なのは、タオルやモップによる水分の拭き取り、換気、扇風機・サーキュレーターによる送風です。
ただし、これらはあくまでも発見直後の応急対応であり、建材内部の含水率を計測ベースで管理するレストレーション(復旧)とは全く異なります。
応急対応で表面が乾いたように見えても、石膏ボードや木材枠の内部に水分が残っている可能性は否定できません。
線引き2.不十分になりやすい自己流の対応
水害後の乾燥において、以下のような自己流の対応は不十分になりやすく、後からカビや腐食の問題に発展するリスクがあります。
- 家庭用除湿機のみで数週間にわたり対応する(相対湿度45〜50%前後で除湿が停滞し、建材内部の含水率が下がり切らないまま放置状態になりやすい)
- 「表面が乾いた」「臭いがなくなった」という体感だけで乾燥完了と判断し、内装仕上げに移る(含水率計による計測を伴わない判断は、内部の高含水率を見逃す原因になる)
- エアムーバー(送風機)だけで対応し、除湿を組み合わせない(送風は蒸発を促しますが、蒸発した水蒸気を室内から回収しなければ相対湿度がむしろ上昇し、再吸着が生じます)
こうした不十分な対応をした後に内装復旧工事を進め、後にカビや床材・壁材の浮きが発生して専門業者への相談に至るケースは珍しくありません。
線引き3.専門業者への相談が必要な状態
以下の状態に当てはまる場合は、自力での乾燥対応には限界があり、専門業者への相談が必要です。
- 石膏ボード・木材枠・断熱材・床下地など多孔質建材への浸透が疑われる場合(特に壁内部や床下への浸水があった場合)
- カビ臭やMVOC(微生物由来揮発性有機化合物)が感じられる場合(乾燥不足で水分活性(aw)が高い状態が続き、微生物増殖が始まっている可能性がある)
- 保険申請を伴う場合(含水率・GPPの日次記録が査定の根拠資料になる)
日本の保険実務では、水災の査定が現地調査を伴わず見積書や報告書をもとに進むことが少なくありません。
そのため、作業内容・目的・費用の根拠を見積書や報告書に記載できるかどうかが、補償範囲の根拠を示すうえで実務上の差になります。
米国のカビ除去の業界標準であるIICRC S520では、水分活性(aw)0.70を超える状態が続くとカビ増殖のリスクが活性化するとされており、IICRC S500に基づく乾燥はこのリスクを防ぐ工程という位置づけです。
乾燥が遅れることはカビ問題への入り口でもあり、対応の判断を先延ばしにするべきではありません。
7.水害後の乾燥判断に迷ったら私たち4RCへお声がけください
私たち4RCは米国の業界標準であるIICRC国際規格に基づく含水率・GPPの計測を実施し、乾燥環境の日次管理を行ったうえで乾燥完了を判断します。
LGR除湿機を含む適切な機材構成の選定から、作業内容・目的・費用を明記した見積書や保険申請に活用できる計測記録の作成まで、水災復旧の実務を一括してお任せいただけるサービスです。
「家庭用除湿機で対応したが本当に乾いているか不安」「保険会社への説明に使える記録がほしい」といったご相談も歓迎します。
WRT・ASDの認定を受けた技術者が在籍しており、現場の材質・温度・湿度の条件に合わせた乾燥計画の提案が可能です。
8.まとめ
家庭用除湿機で水害後の建物が乾かない原因は、コンプレッサー式の低湿度域での効率低下、建材内部の毛細管現象・結合水による水分保持、そして除湿能力の絶対量の不足にあります。
LGR除湿機は空気対空気熱交換器を内蔵した二段階冷却と排気冷熱の再利用によって、一般的な冷媒式が停止する40〜50 GPP前後の水準を下回り、35 GPP前後の低グレイン域まで水分回収を続けられる業務用機材です。
ただしLGR除湿機も低温環境やコンクリート躯体の乾燥では限界があり、デシカント式との使い分けや温度管理が現場の判断として必要になります。
乾燥完了の最終判断は、グレイン差ではなく建材含水率の計測値で行うのが正しい方法です。
現場の温度分布や建材の種類によって最適な機材構成が変わるため、最終的な判断は専門業者の計測に委ねることをおすすめします。






