サウナのカビの処理方法は?原因や見分け方・予防策も解説

サウナのカビの処理方法は?原因や見分け方・予防策も解説

「サウナの壁や床に黒いシミを見つけた」

「サウナからカビのような臭いがする」

などとお悩みではありませんか?

サウナは高温多湿な環境のため、カビが発生しやすい場所です。

放置すると急速に広がり、施設の美観を損なうだけでなく、利用することで健康に影響をおよぼす可能性があるため早めの対処が必要です。

そこで本記事では、サウナに発生するカビの原因から見分け方、効果的な処理方法、さらには再発を防ぐための予防策まで対策方法を詳しく解説します。

ぜひ最後までご一読ください。

1.サウナにカビが生える原因

サウナにカビが生える原因

サウナにカビが生える原因として以下が挙げられます。

  1. 温度
  2. 湿度
  3. 皮脂・汗・汚れ

カビの発生は利用者の健康に影響を及ぼす可能性があるため、正しく理解しておく必要があります。

それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。

原因1.温度

サウナ室内は通常60〜100度の高温環境に保たれており、一般的なカビの繁殖は抑制される温度帯です。

しかし、耐熱性のカビの中には80度以上の環境でも生存できる種類が存在します。

特に問題となるのは、サウナ室内の温度むらです。

天井付近は高温を維持できていても、床や壁の隅、ドア付近などは比較的温度が低くなりやすい傾向にあります。

この場所では40〜50度程度まで温度が下がることがあり、カビにとって繁殖しやすい環境となってしまうのです。

また、営業終了後にサウナの電源を切ると室温が急激に低下し結露を引き起こし、木材の表面や目地の隙間にカビが発生しやすくなります。

さらに、サウナストーンの下や背面など、普段目につきにくい場所も要注意です。

原因2.湿度

サウナ室内の湿度管理は、カビの発生防止においてもっとも重要な要素の1つです。

特にロウリュやミストサウナなどの水分を積極的に使用する設備がある場合、室内の湿度は急激に上昇します。

一般的にカビは相対湿度70%以上の環境で繁殖が活発になりますが、サウナ室内は使用中にしばしば90%を超える高湿度となります。

この状態が続くと、木材のベンチや壁材に水分が染み込み、カビの繁殖を促進させてしまうのです。

また、サウナ室の構造上、天井や壁の結露した水滴が下に落ちて溜まりやすい箇所があります。

特に壁と床の接合部分や、ベンチの裏側などは水分が長時間とどまりやすく、カビの発生リスクが高まるため要注意です。

さらに、換気が不十分な場合、湿度が下がりにくい状態が続き、カビの繁殖条件が整ってしまいます。

原因3.皮脂・汗・汚れ

サウナ利用者の皮脂や汗は、カビにとって格好の栄養源となります。

人の皮脂に含まれるタンパク質や脂質は、カビの生育に必要な有機物を豊富に含んでいるからです。

特に多くの利用者が素肌で直接触れるベンチや床は、皮脂や汗が付着しやすい場所です。

また、利用者の足裏についた埃や外部から持ち込まれた汚れも、カビの栄養源となります。

この有機物が木材の表面や隙間に蓄積されると、カビの胞子が定着・繁殖しやすい環境が形成されます。

これらの汚れは時間とともに固着し、カビの温床となってしまうためこまめな清掃が必要です。

木材の目地や継ぎ目、ベンチの裏側など、普段の清掃で見落としがちな場所では特に汚れが蓄積されやすく、カビの発生リスクが高まるでしょう。

2.サウナに発生したカビの見分け方

サウナに発生したカビの見分け方

サウナに発生したカビの見分け方は、次の3つです。

  1. カビ特有の臭いがするか
  2. 次第に範囲が広がっているか
  3. 表面が綿毛のようになっているか

それぞれのポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。

見分け方1.カビ特有の臭いがするか

1つ目のポイントは、通常とは異なる不快な臭いを感じるかどうかです。

湿った土や腐った有機物のような独特の臭いがカビの特徴で、多くの人が「じめじめした臭い」「むっとする臭い」と表現します。

この臭いは、カビが代謝活動を行う際に放出する揮発性有機化合物(VOC)によるものです。

特に木材を使用したサウナでは、木の隙間や表面にカビが繁殖しやすく、臭いが染み付きやすい傾向があります。

また、この臭いは換気を行っても完全には消えず、むしろ温度が上がることで強くなることも特徴です。

カビ臭が気になり始めた段階で、壁や床、天井などの細部を注意深く確認することが推奨されます。

見分け方2.次第に範囲が広がっているか

カビの特徴的な性質として、発生箇所から徐々に範囲を広げていく点が挙げられます。

初期段階では小さな黒ずみや変色として現れ、時間の経過とともに周囲に広がっていきます。

特にサウナ内の木材部分では、最初は小さな点状の変色として現れ、その後放射状に広がっていく傾向にあるでしょう。

カビが拡大するスピードはサウナ室の使用頻度や温度、湿度などの環境条件によって変化しますが、特に高温多湿のサウナではカビが繁殖しやすい傾向です。

定期的に同じ箇所を観察し、変色や黒ずみの範囲が広がっているようであれば、カビである可能性が極めて高いと判断できます。

見分け方3.表面が綿毛のようになっているか

カビが成熟段階に入ると、表面に特徴的な綿毛状の構造が現れます。

この綿毛状の部分はカビの胞子を形成・放出するための器官で、白色や灰色、黒色であることが多いです。

サウナ内の木材表面や目地部分にこのような綿毛状の物質が確認できた場合、カビが繁殖しているサインだといえます。

特に注意が必要なのは、綿毛状の構造が見える段階ではすでにカビが相当量繁殖している状態だということです。

この状態ではカビの胞子が空気中に飛散しやすく、利用者の健康に影響をおよぼすリスクが高まります。

また、木材内部にまでカビが侵入している可能性も考えられるため、専門家による診断や処置が推奨されます。

3.サウナに生えたカビを自力で処理する方法

サウナに生えたカビを自力で処理する方法

サウナに生えたカビの除去は、早めに対処することが重要です。

ここでは、サウナに生えたカビを自力で処理する方法を紹介します。

  1. 除菌用エタノールを使う
  2. カビ取り剤を使う

それぞれ見ていきましょう。

方法1.除菌用エタノールを使う

除菌用エタノールは、サウナのカビ処理に適した方法の1つです。

エタノールには除菌効果があり、カビの胞子を死滅させる効果が期待できます。

カビが発生している箇所に除菌用エタノールを適量スプレーし、清潔な布で丁寧に拭き取りましょう。

ただし木材部分に使用する場合、木材の劣化や新たなカビの発生原因となる可能性があるためエタノールの量を控えめにすることが重要です。

エタノールは可燃性が高いため、サウナストーブの近くでの使用は避け、換気を十分に行いながら作業を進めましょう。

また処理後は、必ず乾燥させることを忘れないようにしてください。

なお、エタノールでの処理は、カビの再発防止というよりも、応急処置的な位置づけとして考えることをおすすめします。

方法2.カビ取り剤を使う

市販のカビ取り剤を使用するのも1つの方法です。

木材に使用する場合、一般的な塩素系カビ取り剤では木材を変色・劣化させる可能性があるため、木材専用のカビ取り剤を選択しましょう。

カビ取り剤を塗布する前に、できるだけカビの表面を乾いた布で軽く拭き取っておくと、より効果的です。

また、カビ取り剤の種類によっては強い刺激臭を放つものもあるため、必ず換気を十分に行いながら作業を進めましょう。

カビ取り剤の残留による健康被害を防ぐため、処理後は清潔な布でしっかりと拭き取り、十分な換気を行うことも大切です。

処理後は、カビ取り剤が完全に乾くまでサウナの使用を控えましょう。

4.カビがひどい場合は業者の利用がおすすめ

カビがひどい場合は業者の利用がおすすめ

カビの発生範囲が広がっている場合や、天井など手の届きにくい場所にカビが生えている場合は、専門の清掃業者に依頼することを検討しましょう。

特に木材を使用したサウナルームではカビが内部まで侵食している可能性があり、表面的な処理だけでは再発のリスクが高くなるためです。

その点、プロの業者であればカビの種類を正確に判断し、適切な薬剤や処理方法を選択できます。

また、専用の除菌装置などの機材を使用することで、より確実にカビを除去できます。

業者選びの際は、以下の点をチェックしましょう。

  • サウナや温浴施設の施工実績があること
  • 使用する薬剤が人体に安全であること
  • 作業後の保証制度があること
  • 見積もり内容が明確で、追加料金が発生しないこと

費用はかかってしまいますが、利用者の健康と施設の長期的な維持管理を考えると、専門業者への依頼は必要な投資といえるでしょう。

5.サウナのカビを再発させないための予防策

サウナのカビを再発させないための予防策

カビの再発を防ぐためには、以下のような継続的な予防策が重要になります。

  • 木材を乾燥させる
  • 定期的に掃除する
  • 換気を行う
  • 防カビコーティングを行う
  • 利用者に協力を促す

サウナのカビを再発させないための具体的な予防策について詳しく見ていきましょう。

予防策1.木材を乾燥させる

サウナ内の木材は高温多湿な環境に常にさらされているため、カビが発生しやすい状態にあります。

カビの予防のためにも、サウナの使用後は最低でも2時間程度の乾燥時間を設けましょう。

この際、室温を下げすぎると結露の原因となるため、徐々に温度を下げることがポイントです。

また、週に1回程度は長時間の乾燥時間を確保し、木材の深部まで十分に乾燥させることをおすすめします。

木材の含水率が20%を超えるとカビが発生しやすくなるため、定期的に水分計で確認するのも効果的です。

予防策2.定期的に掃除する

サウナ内の清掃は、カビ予防の基本です。

毎日の清掃では、特に利用者の皮脂や汗が付着しやすいベンチや床を重点的に行います。

特に木材の継ぎ目や角部分は汚れが溜まりやすいため、ブラシなどを使用して丁寧に清掃することをおすすめします。

また清掃では木材に適した洗剤を使用し、洗剤が残らないよう丁寧に拭き取ることが大切です。

さらに週1回程度は、壁や天井も含めた徹底的な清掃を実施しましょう。

清掃後は必ず乾燥させ、水分を残さないように注意してください。

予防策3.換気を行う

サウナ室内の適切な換気を行うことも、カビの予防に不可欠です。

サウナの使用中は高温多湿となるため、使用後の換気が特に重要になります。

換気扇やファンを使用して、室内の湿った空気を効率的に排出しましょう。

また、可能であれば窓やドアを開けて自然換気を行うことも効果的です。

特に室内の空気を完全に入れ替えるため、朝一番と営業終了後の換気は十分な時間をかけて行ってください。

湿度計を設置して、常に室内の湿度状態を把握することもおすすめです。

予防策4.防カビコーティングを行う

サウナ内の木材や設備に防カビコーティングを施すことで、長期的な効果が期待できます。

コーティング剤は、木材の性質を損なわず、高温にも耐えられる専用のものを選びましょう。

施工は、木材が十分に乾燥している状態で行い、特に水分が溜まりやすい箇所には念入りに塗布します。

ただしコーティングの効果は永久的ではないため、半年から1年ごとに再施工することをおすすめします。

またコーティング剤の選択時は、人体への安全性が確認されているかをチェックすることが大切です。

予防策5.利用者に協力を促す

特に温泉施設のサウナにおけるカビ予防のためには、利用者に協力を促すことも重要です。

入室時には必ずタオルを敷き、汗や皮脂が直接木材に付着しないよう協力を促しましょう。

また、シャワーで体を清潔にしてから入室することや、過度な水分の持ち込みを控えることも重要です。

混雑時は利用者同士が密着することで汗や皮脂が付着しやすくなるため、適切な利用人数を管理する工夫も必要です。

6.サウナのカビは早めに対策しましょう

サウナにおけるカビは、施設の衛生状態や利用者の健康に直接影響を及ぼす重要な問題です。

カビの存在に気付いたら、まずは見た目や臭いで判断し、早めの対策を取ることが大切です。

小規模なカビであれば、除菌用エタノールやカビ取り剤での処理が可能ですが、広範囲におよぶ場合は専門業者への依頼を検討しましょう。

予防対策としては、木材の乾燥、定期的な清掃、適切な換気の実施が基本となります。

日々の点検と予防措置を怠らず、清潔で快適なサウナ環境を維持することが、施設運営の基本です。

すぐに適切な対策を実施し、安全で快適なサウナ空間を保てるようにしましょう。

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