フローリングについた犬のオシッコ臭を消すには?予防策も解説します
犬は大切な家族の一員ですが、フローリングを掃除しても消えないオシッコの臭いに困っている人も多いのではないでしょうか。
フローリングについた犬のおしっこを放置すると、腐食が進み、最悪の場合張替えが必要になることもあります。
この記事では犬のオシッコによる臭いの原因、フローリングの臭い消しの方法、予防策まで詳しく解説します。
最後まで読めば、フローリングについた犬のおしっこ臭に関する悩みを解決できるので、ぜひご覧ください。
1.犬のオシッコ臭が消えにくい理由
犬のオシッコの臭いは、アンモニア・細菌・尿酸・ホルモンなどで構成されており、この成分が組み合わさることで、独特の強い臭いを放ちます。
臭いのおもな原因となるのは、アンモニアと細菌です。
アンモニアは時間が経つにつれて濃縮され、刺激的な臭いを放つガスに変化します。
一方、細菌は増殖を続けることで悪臭の原因となります。
オシッコをした直後から尿が揮発し、空間に臭気分子が広がった結果、細菌が増殖して悪臭が発生するのです。
水分が蒸発する過程で臭いの元となる物質が濃縮されるためです。
さらに厄介なのは、フローリングは木材でできており、木材は多孔質素材であるためその細孔に水分や臭気分子が浸透しやすい性質があります。
オシッコがフローリングに染み込むと、表面だけでなく内部にまで臭いの元が浸透してしまうのです。
さらにオシッコの水分がフローリングに染み込み、木材の腐食が進行する可能性もあります。
2.犬のオシッコ臭を消す4つの方法
犬のオシッコ臭を効果的に消すには、愛犬の健康とフローリングの保護に注意を払う必要があります。
ここでは、安全かつ効果的な4つの方法を紹介します。
- ペット専用の消臭洗剤を使う
- クエン酸で掃除をする
- 市販の消臭スプレーをかける
- 洗えるものは洗う
それでは、それぞれの方法をみていきましょう
方法1.ペット専用の消臭洗剤を使う
ペット専用の消臭洗剤は、犬のオシッコ臭を効果的に除去するだけでなく、愛犬の健康にも配慮して作られています。
万が一愛犬が舐めても害のないよう設計されているため、トイレや寝床の周辺でも安心して使用できます。
選び方のポイントは、除菌と消臭の両方に効果の高い製品を選ぶことです。
多くのペット専用洗剤には尿中のアンモニアを中和する成分や、臭いの原因となる細菌を抑制する成分が含まれています。
一般的な使用方法は、スプレーやポンプタイプで汚れた箇所に洗剤を吹きかけ、しばらく置いてから拭き取るというものです。
頑固な臭いには、数回繰り返しましょう。
愛犬とフローリング、そして家族の健康を守りながら、効果的に臭いを除去できます。
方法2.クエン酸で掃除をする
クエン酸は犬のオシッコ臭を消す自然な方法として効果的です。
その理由は、オシッコの臭いの主な原因であるアンモニアがアルカリ性であるのに対し、クエン酸が酸性であるため、両者が中和反応を起こすからです。
オシッコは乾く際に尿塩(尿の結晶のようなもの)が残ってしまい市販の消臭剤などを使用しても消臭剤の浸透を阻害してしまうことがあります。
そのため、まず尿塩を溶かさなければなりません。
尿塩はアルカリ性であるため酸性洗剤を使用して溶かすことができます。
クエン酸を使って尿塩を溶かす方法は2つあります。
- 市販のクエン酸スプレーを購入する
- 自家製クエン酸スプレーを作る
自家製スプレーは200mlの水に小さじ1杯のクエン酸を混ぜ、スプレー容器に入れるだけです。
自家製スプレーは詰まりやすいため、少量ずつ作ることをおすすめします。
スプレーを臭いの気になる箇所に吹きかけ、その後拭き取ります。
毎日の掃除にクエン酸スプレーを使うことで、徐々に臭いが気にならなくなっていくのです。
クエン酸は天然由来の成分なので安全性が高く、環境にも優しい選択肢といえるでしょう。
方法3.市販の消臭スプレーをかける
市販の消臭スプレーも、犬のオシッコ臭を消す効果的な方法です。
しかし一部の製品には、犬の腎臓に負担をかける成分が含まれているので、以下の点に注意しましょう。
- 使用前に製品の成分表示を確認する
- 獣医師に相談し、使用の可否を確認する
多くの消臭スプレーは、悪臭を別の匂いでマスクする仕組みです。
そのため、オシッコが残っている箇所に直接スプレーしてもさほど効果は得られません。
使う際は事前に汚れた箇所を拭き掃除し、きれいになったところに使うことが重要です。
使用方法は、臭いの気になる箇所から20〜30cm離してスプレーし、自然乾燥させます。
方法4.洗えるものは洗う
犬のオシッコは想像以上に広範囲に飛び散っていることが多いので、フローリングだけでなく周囲に置いてあるものも丁寧に掃除する必要があります。
特に注意が必要なのは、カーテンやラグ、犬のベッドなどの布製品です。
布製品は臭いを吸着しやすく、放置すると悪臭の原因になります。
洗濯可能なものは以下の手順で洗いましょう。
- 洗濯機で通常の洗剤を使って洗う
- 可能であれば、煮洗いを行う
- 十分にすすぎ、完全に乾燥させる
洗濯できないものはペット用の消臭スプレーを使うか、専用のクリーニングに出すことをおすすめします。
犬のベッドやおもちゃは体臭が染み付きやすいため、こまめな洗濯が効果的です。
洗えるものはしっかり洗濯することで、オシッコの臭いだけでなく、室内全体の衛生状態も向上します。
3.犬のオシッコ臭を予防する3つの対策
オシッコ臭を消すには清掃も大事ですが、尿が付着しにくい対策も重要です。
ここでは、犬のオシッコ臭を予防する3つの方法を紹介します。
- シーツや保護マットで覆う
- ペット用ワックスを塗布する
- 見つけたらすぐに拭き取る
それでは、各対策について詳しくみていきましょう。
対策1.シーツや保護マットで覆う
おしっこが飛び散りやすい部分にペットシーツや保護マットを設置しておくと、フローリングへの染み込みを防ぐことができます。
この方法のメリットは大がかりな準備が必要ないため、誰でも簡単に取り組めるということです。
毎日の掃除も比較的簡単で、尿が付着した部分を取り替えるだけで済みます。
飛び散る範囲が広い場合は、以下の対策も効果的です。
- トイレのサイズを大きくする
- ドーム型のトイレを導入する
シーツや保護マットは定期的に交換し、清潔に保ちましょう。
対策2.ペット用ワックスを塗布する
ペット用ワックスはフローリングを保護し、犬のオシッコ臭を予防する効果的な方法です。
ペットの安全に配慮して作られているだけでなく、おしっこが染み込みにくい特性も持っています。
ペット用ワックスの主な利点は以下のとおりです。
- フローリングへおしっこの染み込みを防ぐ
- 臭いが残りにくくなる
- 掃除がしやすくなる
使う際は、尿がつきやすい部分を中心にワックスを塗布します。
ただし、床材によってはワックスが使用できないこともあります。
使用前に必ず床材の種類を確認し、ワックスが使用可能かどうかを確認しましょう。
定期的にワックスを塗り直すことで、より高い保護効果とオシッコ臭の予防効果を期待できます。
対策3.見つけたらすぐに拭き取る
時間が経つほどおしっこの臭いは落ちにくくなるので、見つけ次第すぐに拭き取るようにしましょう。
愛犬の排泄パターンを把握することも重要です。
食事のあとや散歩から帰ったタイミングなど、排泄しやすい時間帯をよく観察し、その時間帯は特に注意を払いましょう。
排泄が終わったらすぐに拭き取り、消臭スプレーなどで処理します。
迅速な対応はフローリングへの染み込みを最小限に抑え、臭いの定着を防ぎます。
手早い掃除を習慣づけることで、より快適な生活環境を維持できます。
4.犬が正しい場所でオシッコができない理由
愛犬が正しい場所で排泄できないのは、単なるしつけの問題だけではありません。
その背景にはさまざまなな問題を抱えている可能性があります。
ここでは、犬が適切な場所でオシッコができない主な理由を3つ紹介します。
- トイレの環境が悪い
- 加齢や健康問題
- ストレスや不安
それぞれの理由について詳しくみていきましょう。
理由1.トイレの環境が悪い
犬にとって快適なトイレ環境を整えることは、適切な排泄習慣を身につけるうえで重要です。
トイレの環境が悪い例として、以下のようなケースが考えられます。
問題点 | 説明 |
トイレのサイズ | 小さすぎて姿勢を保ちにくい |
設置場所 | 騒がしい場所だと落ち着けない |
清潔さ | 掃除が行き届いていない |
この問題を解決するためには犬の体格に合ったサイズのトイレを用意し、静かで落ち着ける場所に設置することが大切です。
定期的な清掃を心がけ、常に清潔な状態を保つことも重要です。
愛犬の快適さを第一に考え、理想的なトイレ環境を整えましょう。
理由2.加齢や健康問題
これまで問題なく排泄できていた犬が急に失敗するようになった場合、加齢や健康上の問題が隠れている可能性があります。排泄には腎臓の機能が深く関わっています。
そのため、排泄の問題は重大な疾患のサインである可能性があります。
例えば、以下のような症状が見られる場合は、健康上の問題を疑う必要があります。
- 頻尿や少量の排尿が増える
- おしっこの色や臭いが変わる
- 排尿時に痛がる様子が見られる
加齢に伴い、これまで使用していたトイレが使いづらくなることもあります。
高齢犬の場合、関節の問題でトイレの縁を越えるのが困難になることも。
このような場合、まずは獣医師に相談することが重要です。
バリアフリーのトイレに変更するなど、健康と年齢に配慮したケアを行うことで、愛犬の快適な生活をサポートできます。
理由3.ストレスや不安
犬が正しい場所でオシッコができない理由の1つに、ストレスや不安があります。
- 同居犬との関係
- 犬に合っていないしつけやコミュニケーション不足
- 引っ越しなどの環境変化
- 健康問題や加齢
これらのストレスや不安が原因で、犬は正しい場所での排泄を避けるようになります。
まずストレスの原因を特定して、犬にとって快適な環境を整えてやることが重要です。
獣医師やドッグトレーナーへの相談も検討しましょう。
5.臭い消しを業者に頼んだほうが良いケース
自分でどれだけ掃除をしても臭いが消えない場合、プロの清掃業者に依頼するという選択肢もあります。
プロ仕様の機材と技術で清掃するので、消臭や除菌効果が高いのが特徴です。
以下のようなケースでは、業者に依頼することをおすすめします。
- フローリング内部まで臭いが染み込んでいる
- 臭いの出所が分からない
- 臭い戻りが起きている
それでは、各ケースについて詳しくみていきましょう。
ケース1.フローリング内部まで臭いが染み込んでいる
フローリングがブヨブヨしていたり、反り返ったりしている場合は、内部までおしっこが染み込んでいることが多いです。
このような状態で表面を拭き掃除しても、臭いを完全に取り除くことはできません。
フローリングの一部を切断して、内部を消臭しなければならないケースも多々あります。
プロの業者は特殊な機材を使って、フローリングの内部まで洗浄・消臭が可能です。
フローリングの内部まで染み込んだ臭いは、時間が経つにつれて悪化するおそれがあります。
早めにプロの手を借りることでフローリングの寿命を延ばし、快適な生活環境を取り戻すことができるでしょう。
ケース2.臭いの出所が分からない
室内のどこから臭いが発生しているのか分からない場合、見えづらい場所におしっこが染み込んでいるか、家具や壁全体に臭いが染みついている可能性があります。
このような状況では、素人の目では臭いの原因を特定するのは困難です。
プロの清掃業者は、特殊な機器を使って臭気を追跡し、その出所を正確に特定できます。
また、部屋全体を効果的に消臭する専門的な技術も持ち合わせています。
プロの力を借りることで、無駄な労力や時間を省き、効率的に問題を解決できるでしょう。
ケース3.臭い戻りが起きている
掃除した直後は臭いがしないのに、雨の日や暑い日になると再び臭くなる現象を「臭い戻り」と呼びます。
表面的な清掃では落としきれていない汚れが残っているサインです。
プロの清掃業者は、特殊な洗剤や機材を使って、目に見えない微細な汚れまで徹底的に除去します。
さらに専門的な消臭・除菌処理を行うので、臭い戻りの原因を根本から取り除くことができるのです。
臭い戻りは、単なる不快感だけでなく、カビやバクテリアが繁殖する原因にもなります。
おしっこの消臭と除菌を行うためにプロの力を借りるのがおすすめです。
6.犬のオシッコ臭を消すには思い切った対策も有効
犬のオシッコ臭は、放置すればするほど落ちにくくなります。
そのため、日々の掃除や予防策を講じることが大切です。
単なるしつけの問題やわがままだと考えず、健康上の問題やストレスなどが隠れていないか注意深く見守りましょう。
排尿の頻度や量、色などの変化にも気を配り、異常を感じたら迷わず獣医師に相談することをおすすめします。
また、自分の努力だけでは対処しきれない場合もあります。
フローリングの内部まで臭いが染み込んでいたり、臭い戻りが起こっている場合は、プロの清掃業者に依頼するという選択肢も考慮に入れましょう。