床下にカビが生えている?現れる症状や原因は?対処法を詳しく解説

床下にカビが生えている?現れる症状や原因は?対処法を詳しく解説

「床のきしむ音が気になる…」「押し入れの中がなんだか湿っぽい…」などの症状は床下にカビが生えていることを示すサインかもしれません。

床下のカビは、目に見えにくい場所だからこそ、気づかないうちに進行し、家全体に影響を及ぼす厄介な問題です。

そこで本記事では、カビの症状から原因、放置するリスク、そして専門業者への依頼方法まで詳しく解説します。

床下のカビ対策で悩んでいる方、これから家のメンテナンスを考えている方、ぜひ最後までご一読ください。

1.床下にカビが生えているときに現れる症状

床下

床下のカビは目に見えにくい場所にあるため、以下の症状に注意を払うことが重要です。

  • 床がきしむ・沈む
  • 押入やクローゼットが湿っぽい
  • 床下換気口からカビの臭いがする

この症状が1つでも当てはまる場合、床下のカビを疑う必要があります。

それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。

症状1.床がきしむ・沈む

室内を歩くと、床がキシキシと音がしたり沈むように感じたりする場合、床下の木材はすでに傷んでいる可能性があります。

多くの場合、床下のカビが原因です。

床下の湿度が高くなると、カビが発生し、木材に付着します。

カビは木材を分解する性質があるため、時間とともに木材が腐食し、強度が低下します。

その結果、床を歩くたびに異常な音がしたり、沈み込んだりする現象が起こるのです。

放置すると、床の損傷がさらに進み、最悪の場合は床が抜けてしまう危険性もあります。

症状2.押入やクローゼットが湿っぽい

押入れやクローゼットのような密閉された空間は、換気しづらいため、湿度が高くなりやすく、カビが生えやすい環境です。

この場所が湿っぽく感じられる場合、床下のカビ問題を起こしている可能性があります。

押入れやクローゼットの湿度が上がると、その床や壁紙にカビが生えてしまいます。

さらに、収納している布団や洋服にもカビが発生し、被害が広がってしまうことも少なくありません

症状3.床下換気口からカビの臭いがする

床下換気口からカビの臭いがする場合、床下にカビが生えている可能性が高いです。

カビ特有の湿っぽく、カビ臭いにおいは、床下のカビ問題を示す大切なサインです。

この臭いは、カビが放出する揮発性有機化合物(VOC)によるもので、単に不快な臭いを発するだけでなく、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。

床下換気口からカビの臭いがする場合、すでに進行していることが多いため、迅速な対応が必要です。

2.床下にカビが生える5つの原因

原因

床下にカビが生える原因は、主に以下の5つです。

  • 湿気が多い環境である
  • 高気密・高断熱になっている
  • コンクリートが乾ききっていない
  • 断熱材の種類や施工方法を誤るなどの施工ミス
  • 床上・床下浸水した後、修理しない

この原因を詳しく見ていきましょう。

原因1.湿気が多い環境である

床下にカビが生える原因の1つは、湿気の多い環境です。

特に、もともと田んぼや沼地、埋め立て地であった場所に建てられた家は、土壌に多くの水分が含まれているため、カビの発生リスクが高くなります

また、周囲より低い土地に家が建っている場合も要注意です。

このような場所では、雨水や地下水が床下に滞留しやすく、湿度が上昇しやすい環境となります。

原因2.高気密・高断熱になっている

近年の住宅は、エネルギー効率を高めるために高気密・高断熱設計が主流です。

しかし、外部との空気の出入りが制限されるため、室内で発生した湿気が外に逃げにくくなります

特に、床下空間は換気が不十分になりやすく、湿気がこもりやすい環境です。

さらに、高断熱材を使うことで、床下と外気の温度差が大きくなり、カビの発生源となる結露も発生しやすくなります。

原因3.コンクリートが乾ききっていない

住宅建築時のコンクリートに含まれる水分も、床下のカビ発生の原因です。

一般的に、生コンクリートが完全に乾燥するまでには約2年の期間を要します。

しかし、近年の住宅建築では、企業のローコスト化やお客様の要望による工期の短縮化のため、コンクリートが十分に乾燥する前に建物を完成させ、入居が始まることもあります。

特に、べた基礎(鉄筋コンクリートの面で建物を支える構造)を採用した住宅では、着工から完成までの期間を半年程度と短く終えるケースが多いです。

このような状況下では、コンクリートに含まれる水分が徐々に蒸発し、床下の湿度を上昇させた結果、カビの発生リスクが高まります。

原因4.断熱材の種類や施工方法を誤るなどの施工ミス

床下のカビ発生の原因として、断熱材の選択や施工方法の誤りなどの施工ミスも挙げられます。

床下換気口の数が不足していたり、配置が適切でなかったりすると、床下の空気が滞留し、湿気がこもりやすくなるのです。

また、湿気を吸収しやすい断熱材を使用した施工が不適切で隙間ができてしまったなどでも、カビの発生源となる結露を引き起こします。

防湿シートの施工不良により、地面からの湿気が床下に侵入することも原因の1つです。

原因5.床上・床下浸水した後に対応しない

床上・床下浸水した後に後に対応しないことも、カビが発生する原因です。

台風やゲリラ豪湯などの自然災害により、住居が床上・床下浸水した場合、浸水後に適切な修理や乾燥処理を行わないと、床下に残った水分がカビの発生源となります。

カビは湿った環境で24〜48時間以内に発生し始めるため、速やかな対応が求められます。

浸水によって損傷した床材や断熱材は、カビの温床となることも少なくありません。

3.床下に生えたカビを放置する4つのリスク

リスク

床下に生えたカビを放置するリスクは、以下の4つです。

  1. 家の中がカビ臭くなる
  2. シロアリが発生する
  3. 床下が腐食する
  4. 健康面でのリスクが増える

それぞれ解説します。

リスク1.家の中がカビ臭くなる

床下にカビが生えると、その臭いが家全体に広がります。

カビの胞子は小さく、床の隙間や換気口を通って室内に侵入します。

その結果、見た目には問題がなくても、家中にカビ臭さが漂うことになるのです。

この不快な臭いは、生活の質を下げるだけでなく、床下のカビ問題を知らせる大切なサインでもあります。

カビ臭さを感じたら、床下にカビが発生していると考えましょう。

リスク2.シロアリが発生する

シロアリは、カビと同様に湿気の多い環境を好みます。

そのため、床下にカビが生えている状況は、シロアリにとって理想的な生息環境となってしまいます。

シロアリは新築であっても構造上大切な部分である住宅の基礎や柱を食い荒らし、家の寿命を縮めてしまう可能性があるのです。

外見からは気づきにくいことが多く、発見が遅れると修復に多大な費用がかかることも少なくありません。

リスク3.床下が腐食する

カビは、住居の建材を直接的に痛める可能性があります。特に木材は、カビの影響を受けやすい素材の1つです。

カビが木材に付着すると、その木材を破壊し、強度を低下させます。

床下の梁や柱といった家の構造を支える大切な部分にも影響をおよぼし、腐食が進行すると、以下のような症状が現れます。

  • 床がたわむ
  • きしみ音が増える
  • 床が抜ける
  • 壁にひびが入る

最悪の場合、家の崩壊につながる可能性があります。

また、腐食した建材の修復や交換には多大な費用がかかり、家計に大きな負担をかけることにもなるのです。

リスク4.健康面でのリスクが増える

カビは見た目や家の構造だけでなく、住人の健康にも深刻な影響をおよぼす可能性があります

カビの胞子を吸い込むことで、以下のような健康問題が起きかねません。

  • アレルギー性鼻炎
  • 気管支肺アスペルギルス症
  • シックハウス症候群
  • 水虫
  • 酸欠

特に子供や高齢者、既往症のある人にとって深刻な問題となる可能性があります。

床下のカビは単なる家の問題ではなく、家族全員の健康と安全に関わる大きな問題だと考えましょう。

4.自力での床下のカビ掃除は難しい

床下

床下にカビが生えているのを発見したとき、「自分で掃除すれば費用が節約できる」と考える方もいるかもしれません。

しかし、床下のカビ掃除を自力で行うのは、難しく危険を伴う作業です。

  • 暗く狭い空間で作業範囲が広い
  • 十分な照明や換気が確保できない

このような環境下で長時間作業を行うことは、体調を崩す原因になる可能性があります。

また、床下には釘やトゲなどの危険物が潜んでいることもあり、怪我のリスクも高いです。

さらに、カビは根強く、寿命も長いため、素人が完全に除去するのは困難です。

安全性と確実性を考えると、自力での対処は避け、専門の業者に依頼することが最善の選択肢となります。

5.床下のカビ除去を業者に頼む流れ

清掃業者

床下のカビ除去を業者に依頼する際の一般的な流れを紹介します。

  1. 業者を選定して見積もりを依頼する
  2. カビの状況調査をしてもらう
  3. 作業を行ってもらう

それでは、各ステップについて詳しく見ていきましょう。

流れ1.業者を選定して見積もりを依頼する

まずは、業者を選定して見積もりを依頼します。

カビ除去の専門業者によって料金体系やサービス内容が異なるため、比較検討をしてより適切な業者を探しましょう。

  1. インターネットや口コミを参考に、信頼できそうな業者を3社程度選ぶ
  2. 各業者に見積もりを依頼する
  3. カビの状況や家の構造について詳しく説明する

見積もりは多くの場合無料なので、遠慮せずに複数の業者から見積もりをもらうことをおすすめします。

流れ2.カビの状況調査をしてもらう

見積もり前に、多くの業者は現場でカビ調査を実施します。

この調査はカビ除去作業の範囲や方法を決定する重要な調査です。

カビ調査の主な内容は、以下の通りです。

  • ヒアリング
  • 目視調査
  • カビ数の検査

カビ検査の結果が出るまでには、通常数日から1週間程度かかることがあります。

検査結果でカビによる汚染が確認された後、業者は必要な作業内容と費用の詳細な見積もりを提示します。

なお、この調査段階では業者の対応や説明の丁寧さを観察することがポイントです。

業者の信頼性を判断する指標となります。

流れ3.作業を行ってもらう

複数の業者の実績・価格・作業内容などを総合的に考慮し、最もバランスの良い業者を選定したら、実際の作業に入ります。

カビ除去作業の一般的な流れは、以下が挙げられます。

  1. 準備
  2. カビ除去
  3. 乾燥
  4. 防カビ処理

この作業には通常2日以上かかることが多く、家の規模や汚染の程度によってはさらに長期間を要する場合もあります。

作業中も業者とコミュニケーションを取り、進捗状況や気になる点があればすぐに確認することが大切です。

また、作業完了後は必ず結果の説明を受け、今後のメンテナンス方法についてもアドバイスをもらいましょう。

6.床下のカビを除去するのにかかる費用

費用

床下のカビ除去にかかる費用は、一般的な相場として1㎡あたりのカビ取りの費用は2, 000円~5, 000円程度です。

しかし、実際の作業では面積だけでなく、カビの範囲や程度、作業の内容や難易度によっても料金が変動します。

大まかな料金の内訳は以下の通りです。

作業項目概算費用
全工程約18万円前後
初期対応費(排水・泥除去など)数万円
乾燥・除菌 数万円

また、カビ除去だけでなく、再発防止のための対策工事(換気システムの設置など)を行う場合は、さらに費用がかかることもあります。

単に費用だけで業者を選ぶのではなく、作業の質や保証内容なども考えることが重要です。

安価だからといって手抜き工事をされては意味がありません。

複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することをおすすめします。

7.カビを除去する優良業者の見分け方

床下のカビ除去を依頼する際、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

優良業者を見分けるポイントは主に以下の2つです。

  • 事前に無料の見積もりや打ち合わせをしてくれるか
  • 実績豊富で専門性が高いかどうか

それでは、各ポイントについて詳しく見ていきましょう。

見分け方1.事前に無料の見積もりや打ち合わせをしてくれるか

無料見積もりと丁寧な事前打ち合わせを提供している業者は、顧客の利益を優先し、信頼できると言えます。

優良な業者は、通常無料で見積もりや事前打ち合わせを行い、以下の情報を詳細に説明します。

  • カビの状況
  • 必要な施工内容
  • 費用
  • 保証内容

これにより、お客様は作業の全容を理解し、透明性の高さにより予想外の出費を避けられるわけです。

一方、悪質な業者は無料見積もりを避け、十分な事前打ち合わせなしに作業を開始します。

後々、追加料金や不適切な作業につながるため留意してください。

見分け方2.実績豊富で専門性が高いかどうか

カビ除去作業は、床下構造や建材の理解、適切なカビ除去方法や薬剤の使用など高度な専門技術を要します。

経験豊富で専門知識の高い業者は、現場の状況に応じて最適な対策を提案し、効果的かつ安全にカビを除去できます。

一方、経験の浅い業者や専門知識の低い業者は、必要な作業を見落としたり、不必要な作業を提案したりする可能性があります。

最悪の場合、自社の能力を超える作業を無理に引き受け、不適切な施工をしてしまうことも少なくありません

業者を選定する際は、以下の観点で比較しましょう。

  • 過去の施工例
  • カビ除去に関する資格の有無
  • 顧客からの評価や口コミ

これらの情報を比較することで、業者の信頼性を担保できます。

床下にカビが生えているかなと思ったら、自分で解決せずに業者に依頼しましょう

床のきしみ、押入れの湿気、カビ臭さなどは、床下にカビが発生している兆候です。

放置すると、家全体のカビ臭さ、シロアリの発生、床下の腐食、健康被害のリスクが高まります。

床下のカビ除去には専門的な知識と技術が必要となり、自力での対処は困難で状況を悪化させる可能性もあるため、専門業者への依頼をおすすめします。

  • 無料見積もりや事前打ち合わせの有無
  • 担当者の説明の丁寧さ
  • 実績と専門性の高さ

などを確認し、適切な業者を探しましょう。

ぜひ、本記事を健康的で快適な住環境を取り戻す参考にしてください。

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