上階からの漏水は、マンションやアパートで起きやすいトラブルのひとつです。
この上階漏水は、適切に対処しないと家具や電化製品が壊れるだけでなく、悪臭被害やカビの発生を招く原因となります。
場合によっては感電したりする危険性もあるのです。
この記事では、上階からの漏水が起きたときに、まず何をすべきかという対処法から、原因の見分け方を解説します。
また、修理費用はだれが払うのか、使える保険の種類にまで触れているのでぜひ参考にしてください。
目次
1.上階から漏水があった場合の対処法
まずは、上階からの漏水が起きたときに取るべき5つの対処法を順番に紹介します。
- 電気を切る
- 水漏れ箇所を確認する
- 被害状況を写真で記録する
- バケツやタオルで応急処置を行う
- 上階の住人や管理会社に連絡する
それぞれ見ていきましょう。
対処法1.電気を切る
まずは電気を切ることがポイントです。
上階からの漏水が起きると、天井や壁の内部を通って水が流れてきます。
この水が照明器具やコンセント、家電製品に触れると、感電する危険性があるため要注意です。
水は電気を通しやすい性質があるため、漏電が起きやすく、最悪の場合は命に関わる事故につながります。
まずは部屋のブレーカーを落として、電気の供給を止めましょう。
天井付近の照明やエアコン、壁のコンセント周辺に水がかかっている場合は、絶対に触らないでください。
もしすでに停電している、またはブレーカーを落とすのが難しい状況であれば、漏水箇所から離れた場所で待機し、管理会社や電気工事の専門業者に連絡するのが安全です。
対処法2.水漏れ箇所を確認する
水が漏れている場所を確認することも必要といえます。
上階からの漏水といっても、原因は様々です。
水がどこから落ちてきているのかをしっかり見れば、漏水の発生源を推測する手がかりになります。
例えば、天井の特定の場所だけから水が滴っているなら、上階の浴室やキッチン、トイレといった水回りの設備が原因になりやすいです。
また、配管が通っている場所や、共用部分の近くから水が漏れている場合は、建物全体の設備に問題があるかもしれません。
確認するときは、できるだけ水が垂れてくる位置や範囲をメモしておきましょう。
この情報は、あとで管理会社や修理業者に伝えるときに役立ちます。
対処法3.被害状況を写真で記録する
上階からの漏水によって、天井や壁、床、家具、家電などが濡れたり汚れたりした場合は、その証拠をしっかり記録してください。
後で保険会社に保険金を請求したり、上階の住人や管理会社に修理費用を請求したりするときに、被害の範囲や程度を証明する資料になります。
写真を撮るときは、漏水箇所の全体像と、被害を受けた部分の詳細の両方を撮影するのがポイントです。
例えば、天井のシミ、壁紙のはがれ、濡れた家具、水たまりができている床など、できるだけさまざまな角度から撮っておきましょう。
撮影はスマホのカメラで十分ですが、撮影日時を記録できるように設定しておくと、さらに信頼性が高まります。
対処法4.バケツやタオルで応急処置を行う
バケツやタオルを使って応急処置を行うことも大切です。
上階からの漏水が続いている間、被害を最小限に抑えるために、水が落ちてくる場所にバケツや洗面器を置いて水を受け止めたり、床に広がった水をタオルや雑巾で吸い取ったりしましょう。
水が家具や家電にかかると変色や故障の原因になるため、できるだけ早く濡れたものを別の場所に移動することも必要です。
床に水が溜まったままだと、フローリングが腐ったり、下の階にまで水が染み出したりしかねません。
ただし、天井から大量の水が勢いよく流れている場合や、天井が崩れそうな状態であれば、無理に近づかず、安全な場所に避難してください。
対処法5.上階の住人や管理会社に連絡する
上階の住人や管理会社にすぐ連絡しましょう。
上階からの漏水を止めるには、水の出どころである上階で対応してもらう必要があるからです。
例えば、上階の住人が蛇口を閉め忘れていたり、洗濯機のホースが外れていたりする場合、そこで水を止めなければ漏水は続いてしまいます。
だからこそ、マンションやアパートにお住まいの場合は、まず管理会社や大家に連絡することが大切です。
管理会社を通して対応してもらえば、トラブルを避けながらスムーズに問題を解決できます。
また、上階の住人と直接やり取りすると感情的になったり、責任の所在で揉めたりする話をしばしば聞きます。
今後のご近所トラブルを減らす観点でも、できるだけ管理会社を間に入れるのが無難です。
2.上階から漏水が起こる原因は?
上階からの漏水が起こる主な原因は、以下の3つです。
- 水道管の老朽化によるもの
- 設備の破損や不具合によるもの
- 上階の住人の過失によるもの
それぞれ解説します。
原因1.水道管の老朽化によるもの
建物の建築から長い年月が経つと、壁や床の中を通っている水道管も少しずつ劣化します。
配管の継ぎ目を密閉するためのパッキン(ゴム製の部品)がすり減ったり、錆びて穴が開いたりするなどして、水が漏れ出してしまうのです。
厚生労働省の水道施設の点検を含む維持・修繕の実施に関するガイドラインによると、日本の水道管の約22%がすでに法定耐用年数である40年を超えており、老朽化が全国的な課題となっています。
- 天井にシミが広がっている
- 複数の箇所から水が滴る
- 水の出が悪くなった
もし上記のような症状が見られる場合は、水道管の老朽化を疑いましょう。
このような場合は、配管全体の点検と交換が必要になります。
原因2.設備の破損や不具合によるもの
上階からの漏水が起こる原因は、必ずしも配管の劣化だけではありません。
浴室の排水口の詰まりで水が溢れたり、洗濯機の給水ホースが外れたり、トイレのタンクに亀裂が入ったりすることでも漏水は発生します。
例えば、浴槽のコーキング(隙間を埋めるゴム状の材料)が劣化すると、そこから水が床下に染み込み、下の階に漏れ出します。
洗濯機の設置が不安定だったり、ホースの接続が緩んでいたりするだけでも、水は簡単に漏れてしまうのです。
例えば夜間や朝方に集中しているなど漏水のタイミングが決まっている場合は、上階の生活パターンと関連している可能性が高いです。
こうしたケースでは、設備の点検や交換で問題が解決しやすいため、早めに管理会社や専門業者に相談してください。
原因3.上階の住人の過失によるもの
日常生活の中で起こるちょっとした上階の住人の不注意が、漏水の原因になります。
- 浴槽にお湯を張っている途中で忘れて溢れた
- 蛇口をしっかり閉めずに外出した
- 洗濯機のホースを踏んで外してしまった
こうした過失による漏水は、分譲マンション・賃貸マンションの双方で基本的には上階の住人に責任が発生します。
そのため、漏水の被害に遭った住人は修理費用や被害の補償を請求できる場合があります。
トラブルを避けるためにも、管理会社を通じて冷静に対応してください。
3.上階から水漏れがあった場合の費用はだれが負担する?
上階からの漏水が起きたとき、修理費用や被害の補償をだれが負担するのかは、原因によって変わります。
- 設備の不具合による漏水の場合
- 上階の住人の過失による漏水の場合
- だれの過失でもない場合
ここでは、ケース別に費用負担の考え方を解説します。
ケース1.設備の不具合による漏水の場合
建物の共用部分や、建物全体の設備によって上階からの漏水が起きた場合、費用は管理組合または建物のオーナーが負担するのが基本となります。
具体的には、共用の給排水管の劣化で水が漏れた、建物の構造上の問題で雨水が浸入した場合などです。
共用部分の管理責任は建物の所有者や管理組合にあるため、修理費用も所有者や管理組合の負担となります。
ただし、専有部分の設備が原因であれば、その住戸の所有者または入居者が負担しなければなりません。
どこまでが共用部分で、どこからが専有部分なのかは、管理規約や賃貸契約書の記載を確認してください。
ケース2.上階の住人の過失による漏水の場合
上階の住人が蛇口を閉め忘れたり、洗濯機のホースを外してしまったりといった過失で漏水が起きた場合、上階の住人が賠償責任を負わなければなりません。
この場合、下階の住人は天井や壁、床の修理費用、家具や家電の修理・買い替え費用、さらには一時的に住めなくなった場合の宿泊費などを請求できる可能性があります。
ただし、直接交渉するとトラブルになりやすいため、管理会社を通じて話し合うのが基本です。
また、上階の住人が個人賠償責任保険に加入していればその保険から補償を受けられるケースもあるので、保険の加入状況も確認してください。
万が一、上階の住人が責任を認めなかったり、話し合いがまとまらなかったりする場合は、弁護士や消費生活センターに相談しましょう。
ケース3.だれの過失でもない場合
配管の経年劣化や、予測できない突然の破損など、だれの過失でもない不可抗力で上階からの漏水が起きた場合は、各自が加入している火災保険や家財保険で対応するのが原則です。
例えば、築年数が古い建物で、管理が適切に行われていたにもかかわらず配管が破損したといったケースが該当します。
このような場合、下階の住人は自らの火災保険や家財保険を使って天井や壁の修理費用、家具や家電の損害を補償してもらう流れが一般的です。
ただし、保険の補償範囲や適用条件は契約内容によって異なります。
管理組合やオーナーが建物全体の保険に加入している場合もあるので、管理会社に問い合わせてみましょう。
4.上階から水漏れがあった場合に使える保険
上階からの漏水が起きたとき、修理費用や損害の補償に保険が使えます。
- 火災保険(建物)
- 家財保険(家具・電化製品)
- 個人賠償責任保険(上階の住人側)
以下では、どの保険がどのような被害に対応しているのかを解説します。
保険1.火災保険(建物)
火災保険は火事だけでなく、水災や漏水による建物の損害もカバーしています。
上階からの漏水によって起きた以下のようなケースでは、修理費用の補償となるケースが見られます。
- 天井や壁、床などが濡れた
- シミができた・腐った
こうした状況下で、天井のクロスを張り替えたり、床材を交換したりした費用が主な対象です。
火災保険は建物の所有者が加入するものなので、分譲マンションの場合は各住戸の所有者、賃貸マンションの場合は大家やオーナーが契約しています。
もし賃貸住宅に住んでいる場合、建物自体の修理費用はオーナーの火災保険でカバーされるため、自分で負担する必要はありません。
ただし、保険には適用条件があるため、保険会社に連絡して補償が受けられるか確認してください。
保険2.家財保険(家具・電化製品)
家財保険は、家具や家電製品、衣類など、住居内の動産が被害を受けたときに補償してくれる保険です。
上階からの漏水によってテレビやパソコンが壊れた、ソファやベッドが濡れて使えなくなった、といった場合に修理費用や買い替え費用を請求できます。
保険金を請求する際は、被害を受けた家具や家電の写真、購入時のレシート、見積書などを用意しておくとスムーズです。
ただし、自らの持ち物の被害については家財保険でカバーする必要があります。
家財保険に加入していない場合、自己負担で買い替えなければならなくなります。
保険3.個人賠償責任保険(上階の住人側)
個人賠償責任保険は、日常生活の中で他人にケガをさせたり、他人のものを壊したりしたときに、賠償金を補償してくれる保険です。
上階の住人が過失で漏水を起こし、下階に被害を与えた場合、この保険を使って賠償金を支払えます。
例えば、蛇口の閉め忘れで下階の天井や家具を濡らしてしまった場合、修理費用や損害賠償を個人賠償責任保険でカバーできます。
火災保険や自動車保険、クレジットカードの特約として付帯しているため、加害者側が加入しているかを確認してください。
5.上階から漏水があった場合の修理・清掃の流れ
ここでは、修理・清掃の流れを解説します。
- 漏水箇所の修理を行う
- 迅速乾燥・物理除去・微生物予防を行う
- 天井・壁・床の張り替えを行う
上階からの漏水が起きた後、被害を復旧するときの参考にしてください。
手順1.漏水箇所の修理を行う
まず何よりも、水の漏れている元を止めなければ、被害は広がり続けます。
共用部分の配管が原因であれば、管理会社が業者を手配してくれます。
一方、専有部分(上階の住戸内の設備)が原因であれば、その住戸の所有者または入居者が業者を手配し修理が進められるのが一般的です。
ただし、いずれも修理をする業者は漏水によって発生する二次被害については専門でない場合が多いです。
そのため、内部被害の確認や調査、復旧については専門業者へ依頼することを強くお勧めします。
専門業者であれば、専用の機材を活用して、内部の含水量などから被害を視覚化することができるため、保険の適用範囲が広がる可能性があるのです。
修理が完了し、水漏れのない状態が確認できたら、次のステップに進みます。
尚、修理が完了した際は原因と「上水・下水」のどちらが漏れていたのかを必ず確認してください。
国際基準では上水(クリーンウォーター)と下水(ブラックウォーター)では被害が異なり、対応内容も変わってくるからです。
手順2.迅速乾燥・物理除去・微生物予防を行う
次に、漏水で濡れた天井や壁、床をしっかり乾燥させ、除菌を行ってください。
構造物内部への水の侵入は様々な遅発性被害を招く原因となりますので目に見える被害がなくとも早急な対応が必要になります。
なぜなら、上水(クリーンウォーター)でも時間経過により被害メカニズムは汚水被害に収束していくからです。
具体的にはセルロース(木材)や接着剤(石膏ボードや断熱材)、可塑剤(床材)などに含まれる有機物が水によって分解されることで微生物の栄養源へと変化していきます。
加えて、過度な湿潤環境となっている空間では微生物の繁殖が活発となるため、悪臭放散が始まります。
下水は当然のことながら、上水でも放置することで下水と同様の被害が発生してしまうので注意しましょう。
手順3.天井・壁・床の張り替えを行う
最後に、復旧可否(経過時間)に応じて天井や壁・床を張り替えて、見た目と機能をもとに戻しましょう。
欧米の復旧業界では上水に限っては発生から48時間以内に乾燥することができれば、ほぼすべての問題は回避できると言われています。
ただし、日本では業界の整備が欧米と比較して遅れているため、初期対応が開始されるまでに48時間以上経過してしまうことがあるのです。
例えば、上水(カテゴリー1)であったとしても発生から3日~7日程度でカテゴリー2(生活排水被害)へと被害は進行し、数週間経過するとカテゴリー3(汚水・下水被害)まで被害は拡大します。
このような慣習から、天井・壁・床などの張り替えが必要となるケースが存在します。
修理と清掃がすべて完了したら、保険会社に完了報告を行い、保険金の請求手続きを進めましょう。
写真や見積書、領収書などをしっかり保管しておくのがポイントです。
6.漏水後の衛生回復・除菌ならSpread株式会社へ
上階からの漏水が起きた後、構造物には大小はあれど、確実な被害が発生します。
こうした状況は放置すると健康被害や悪臭の原因になるケースも見られるため、プロによる徹底的な除菌と乾燥も検討してください。
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7.上階から漏水があった場合は適切に対処しましょう
上階からの漏水は、突然起こるトラブルですが、適切に対処すれば被害を最小限に抑えられます。
まずは電気を切って感電を防ぎ、漏水箇所を確認して、被害状況を写真に記録してください。
その後、バケツやタオルで応急処置を行い、すぐに上階の住人や管理会社に連絡しましょう。
また、乾燥と除菌を怠るとカビや臭いの原因になるため、清掃は専門業者に依頼するのがおすすめです。
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