臭気調査とは?調べられる項目・依頼の流れ・業者の見極め方についても解説

臭気調査とは?調べられる項目・依頼の流れ・業者の見極め方についても解説

オフィスや管理物件、店舗などで「何だか臭う」「不快な臭いがする」といった苦情が寄せられた経験はないでしょうか。

社内で確認しても、どこから臭っているのか、原因が何なのかが推測できず困ってしまうケースは少なくありません。

なかでも、原因の調査と改善報告が求められた場合、感覚的な対応だけでは不十分です。

これは臭気被害を訴える側も同様で感覚的な対応のみでは不十分と判断される場合が少なくありません。

この記事では、そうした臭気問題の原因を科学的に推測するための「臭気調査」について、その概要、調査項目、具体的な手法、依頼の流れ、そして信頼できる業者の見極め方までを詳しく解説します。

1.臭気調査とは?

臭気調査とは?

臭気調査とは、空気中に含まれる「臭い」の原因となっている化学物質を専門的な機器や技術を用いて測定・分析し、臭気の発生源や原因を推測する調査のことです。

臭いは人の感覚で左右されるため、素人では判断しにくい側面があります。

しかし臭気調査では、臭気判定士などの専門家による官能試験や、ガスクロマトグラフ(GC)などの高度な分析機器を用いて、臭い成分を定性的(どのような成分か)、かつ定量的(どれくらいの量か)な測定が可能です。

科学的な分析により、目に見えない臭いの正体を客観的なデータとして可視化し、行政や関係者への正確な報告、ならびに具体的な対策の立案ができるようになります。

2.臭気調査で調べられる項目は?

臭気調査で調べられる項目は?

臭気調査調べられる項目は主に以下の3つです。

  1. 臭気の種類
  2. 濃度(臭気閾値)
  3. 発生源

それぞれの項目について解説します。

項目1.臭気の種類

臭気調査では、臭いがどのような種類の化学物質によって引き起こされているのかを推測できます

臭いには、以下のようにさまざまな種類があります。

  • 腐敗したような臭い:硫化水素やメチルメルカプタンといった硫黄化合物
  • 酸っぱい臭い:酢酸やプロピオン酸などの有機酸類
  • 刺激臭:アンモニア など

ガスクロマトグラフ質量分析などの機器分析を用いれば、空気中にどのような化学物質を含むかを成分レベルでも詳細に推測可能です。

原因となっている物質を推測するのは、発生源の推定や対策を講じるうえでもっとも重要な第一歩となります。

項目2.濃度(臭気閾値)

臭気調査では、臭気の強さがどの程度であるかを数値化することも可能です

濃度測定により、臭気の強さが規制基準を超えていないか、健康への影響がないかなどを判断できます。

臭気調査の測定にはいくつかの指標が用いられますが、代表的なものとしては分析機器で測定する化学物質の「濃度(ppmやppb、mg/l、v/v)」が挙げられます。

濃度は、空気中にどれだけの量の原因物質が存在するかを示す客観的な値です。

もう1つは、人間の嗅覚で測定する”臭気指数”や”臭気閾値”などがあります。

臭気指数は臭いを無臭の空気でどれだけ薄めれば感じなくなるかを数値化したもので、周辺環境への影響度合いを評価する指標です。

一方、嗅覚閾値とは特定の臭いを感知するために必要な最小限の濃度を指すもので、所謂臭気の強さを評価するために用いられます。

項目3.発生源

臭気調査では、臭気がどこから発生しているのかを推測することもできます

臭いの種類や濃度を測定するだけでは、根本的な解決には至りません。

そのため臭気調査では、以下のような疑わしい箇所を1つひとつ調査します。

  • 敷地内の推測の排気口
  • 排水溝
  • 空調設備
  • 床下や屋根裏などの構造物内の空隙 など

場合によっては、敷地境界線上や苦情が発生している場所など、複数の地点でサンプリングを行い、濃度分布(コンターマップ)を作成するケースもあります。

これにより、もっとも濃度の高い地点を推測し、発生源を絞り込んでいく調査が可能です。

3.臭気調査の種類

臭気調査の種類

臭気調査の主な種類は、以下のとおりです。

  1. 人の嗅覚による官能試験
  2. ガスクロマトグラフ分析(GC)
  3. 臭気指数測定

それぞれ詳しく見ていきましょう。

種類1.人の嗅覚による官能試験

官能試験は、臭気判定士(臭気鑑定士)と呼ばれる専門の資格者が、実際にその場の臭いを嗅いで評価する方法です

人間の嗅覚は感度が高く、機械では検知できないような微量な臭いも捉えられます。

代表的な手法に「嗅覚強度評価(6段階臭気強度表示法)」があり、これは臭いの強さを「0(無臭)」から「5(強烈なにおい)」までの6段階で数値化するものです。

この方法は、ガスクロ分析などでは検出しにくい複合臭(複数の臭いが混ざったもの)や、人が「不快」と感じる感覚的な強さを評価するのに適しています。

迅速に現場の状況を把握できるため、初期調査や簡易的な評価によく用いられます。

種類2.ガスクロマトグラフ分析(GC)

ガスクロマトグラフ分析(GC)は、臭気の原因となっている化学物質を推測するための、精度が高い科学的な分析手法です

現地で採取した空気(サンプル)を実験室に持ち帰り、「ガスクロマトグラフ(GC)」または「ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)」という専用の装置で分析します。

この手法では、空気サンプルに含まれるさまざまな成分を分離し、それぞれの物質が何であるかを分析し、その量を分析します。

これにより、ppm(100万分の1)やppb(10億分の1)といった微量なレベルの臭気成分まで推測可能です。

また、この結果を単一物質の感度指標である嗅覚閾値(特定化学物質を人間の鼻で検知できる最小の濃度)と比較することでより有効なエビデンスを取得することができるでしょう。

原因物質が明確になるため、客観的で再現性の高いデータが得られ、行政への報告や具体的な対策立案の根拠となります。

【参考】ガスクロマトグラフ分析(GC)で測定が可能なもの

ガスクロマトグラフ分析は、熱をかけて気化(揮発)する物質の分析を得意としています

具体的には、以下が主な対象です。

  • 400℃程度までで気化する化合物
  • 気化したときに、その温度で分解しない化合物
  • 気化したときに分解しても、定量的に分解物が発生する化合物(熱分解GC) など

主に揮発性(または半揮発性)の有機化合物の分析に適しています。

【参考】ガスクロマトグラフ分析(GC)で測定が難しいもの

ガスクロマトグラフ分析は、熱に安定した揮発性の有機化合物の分析に適した手法です。

そのため、以下のような物質の分析は原理的に難しい側面があります。

  • 揮発性が低い・非揮発性の物質
  • 熱に不安定な物質(熱分解してしまうもの)
  • 高分子・重合体
  • 無機化合物・金属・イオン類 など

こうしたものに当てはまる場合、別の分析手法(液体クロマトグラフやイオンクロマトグラフなど)が必要です

種類3.臭気指数測定

臭気指数測定は、臭いが周辺環境にどれくらい影響を与えているかを評価するための指標的な測定方法です

「三点比較式臭袋法」と呼ばれる手法が法律(臭気対策規制法)で定められており、臭気判定士が実施します。

具体的には、現地で採取した臭いのある空気を無臭の袋に入れ、それを徐々に無臭の空気で希釈します。

人間の嗅覚で臭いを感じられなくなるまで希釈した倍率を求め、その対数値から「臭気指数」を算出するといった具合です。

この数値は、工場の排出口や敷地境界線での規制基準として用いられており、行政への報告や法的な適合性を確認するために不可欠な調査になります。

4.臭気調査の依頼から実施までの流れ

臭気調査の依頼から実施までの流れ

実際に臭気調査を業者に依頼する場合、一般的なステップは以下のとおりです。

  1. 問い合わせ
  2. 打ち合わせ
  3. 現地調査・サンプリング
  4. ガスクロ分析・データ解析
  5. 報告書の提出と改善提案
  6. 改善・メンテナンスの実施

それぞれ以下で詳しく解説します。

ステップ1.問い合わせ

まずは、臭気調査を行っている専門業者に連絡します

この段階で、「いつから」「どこで」「どのような臭いが」「どの程度の頻度で」発生しているか、また「どのような苦情が来ているか」といった具体的な状況を伝えてください。

業者はその内容から対応が可能か、可能であればどのような調査が必要かを判断、提案します。

高い専門性が求められる調査であるため、過去の類似事例や実績についても確認すると良いでしょう。

ステップ2.打ち合わせ

次に、臭気調査を行う業者の担当者と詳細な打ち合わせを行います

この段階では、現地の図面(平面図や空調・換気図など)を共有しながら、臭気の発生状況をさらに詳しく説明してください。

業者はヒアリング内容と図面情報に基づき、臭気の発生源として疑わしい箇所や、臭気の影響を評価すべき地点を推測します。

官能試験、ガスクロ分析、臭気指数測定など、どの手法を組み合わせるのが最適かを判断し、具体的な調査計画や見積もりの提案が受けられるでしょう。

ステップ3.現地調査・サンプリング

打ち合わせで決定した調査計画に基づき、技術者が現地に赴き、調査とサンプリング(空気の採取)が実施されます

ガスクロ分析を行う場合は、専用の捕集管やサンプリングバッグを用いて、定められた方法で空気を採取します。

一方で、臭気判定士が同行する場合は、その場で官能試験(6段階臭気強度法など)を行い、臭気の強さや質を一次評価するケースも少なくありません。

正確なデータを取得するため、調査は臭気が実際に発生しているタイミングに合わせて慎重に行われます。

ステップ4.ガスクロ分析・データ解析

現地で採取された臭気調査の空気サンプルは、分析機関の実験室に運ばれます

ここで、ガスクロマトグラフ質量分析などの高度な分析機器を用いて、サンプルに含まれる化学物質の推測と定量が行われるのです。

分析によって得られたデータは、専門の技術者によって解析されます。

どのような物質がどのくらいの濃度で検出されたのかを評価し、それらの物質がどのような臭いの特徴を持つのか、また、人体や環境への影響がないかが検討されます。

ステップ5.報告書の提出と改善提案

すべての分析と解析が終了すると、臭気調査の結果が「報告書」としてまとめられます

報告書には、以下のようなデータが記載されます。

  • 臭気成分の一覧
  • 発生源の推定
  • 改善提案(換気・除菌・素材洗浄・保守計画など)

また報告時には、分析結果に基づき、具体的な改善策の提案が受けられるでしょう。

ステップ6.改善・メンテナンスの実施

臭気調査の報告書と改善提案に基づき、実際の対策が講じられます

調査結果や業者によりますが、主に以下のような作業が行われるのが一般的です。

  • 発生源となっている箇所の現場復旧
  • 空調や換気システムの見直し
  • 消臭装置の導入 など

対策実施後には再度測定を行い、臭気を低減できているかの効果検証も行われます。

場合によっては、継続的な室内空気質(IAQ)のモニタリングを導入し、再発防止に努めてください。

5.臭気調査業者の選び方

臭気調査業者の選び方

臭気調査の業者選定の際に確認すべきポイントは、以下の3つです。

  1. 専門資格者が在籍しているか
  2. さまざまな手法に対応しているか
  3. 分析だけでなく改善提案も可能か

臭気調査は専門性が高いため、どの業者に依頼するかによって結果の信頼性や解決のスピードが変わります。

ポイント1.専門資格者が在籍しているか

臭気調査の信頼性を担保するためにも、専門的な資格を持つ技術者が在籍しているかを確認してください

代表的な資格としては、人間の嗅覚で臭いを評価する国家資格である「臭気判定士」や、化学分析の技術を証明する「化学分析技能士」などが挙げられます。

なかでもガスクロマトグラフ分析を依頼する場合、その機器を適切に操作し、得られた複雑なデータを正確に解析・評価できる高度な専門知識と経験が不可欠です。

技術者が在籍しているかどうかは、その業者の技術力を示す1つの指標となります。

ポイント2.さまざまな手法に対応しているか

官能試験、ガスクロマトグラフ分析、臭気指数測定など、複数の調査手法に対応でき、それらを状況に応じて最適に組み合わせる提案ができる業者を選ぶのも原因推測への近道となります

例えば、臭気判定士による官能試験だけでは客観的な成分データが得られず、対策が不十分になりがちです。

一方でガスクロ分析だけでは、複数の臭いが混ざり合った複合臭の全体的な不快感を評価しにくい場合もあります。

臭気の原因や状況は千差万別であり、1つの調査手法だけですべてを解決できるとは限らないため、複数の調査に対応可能な業者を選定してください。

ポイント3.分析だけでなく改善提案も可能か

臭気調査の最終目的はデータの取得ではなく、臭気問題の解決です

分析結果を報告するだけの業者ではなく、その結果にもとづいて臭いの原因を解明し、具体的な改善提案まで行える業者を選びましょう。

優れた業者は、微生物による汚染、建材から放散する揮発性有機化合物(VOC)、あるいは換気システムの不具合など、臭気の背後にある根本的な問題を総合的に考慮できます。

分析から恒久的な対策の立案・実施まで、一貫してサポートできる業者こそが、真のパートナーとなり得ます。

6.臭気調査や臭気対策なら私たちSpread株式会社へお声がけください

臭気調査や臭気対策なら私たちSpread株式会社へお声がけください

臭気調査やその後の対策でお悩みでしたら、私たちSpread株式会社にご相談ください

Spread株式会社は、臭気の原因調査から、その後の根本的な改善・メンテナンスまでを一貫してサポート可能です。

なかでも、臭気の原因となりやすいVOCやカビ、ペット、たばこなどの臭い対策を得意としております。

  • カーペットクリーニング
  • ソファ・カーテンといった繊維製品のファブリッククリーニング
  • 専門的なカビ・アレルゲン除去
  • 臭気発生源の調査と除去 など

上記のように、空間の快適性を高めるための多様なサービスに対応しています。

科学的な知見と豊富な実績に基づき、状況に合わせた最適な調査と改善プランをご提案しますので、ぜひお気軽にお声がけください。

>>Spread株式会社 | 復旧・修復・回復・除去・掃除の4RCならお任せください

7.臭気調査が必要になったら信頼できる業者を選びましょう

臭気調査は、臭いを解消し、快適な環境を取り戻すためのファーストステップです

なかでもガスクロマトグラフ分析などの科学的手法を用いれば、臭気の原因を成分レベルで推測でき、客観的な証拠として報告書を作成できます。

調査を依頼する際は、専門資格者の在籍有無、取り扱っている分析手法の種類、そして分析後の具体的な改善提案能力の3点を確認し、信頼できる業者を選びましょう。

Spread株式会社では、科学的な知見と豊富な実績に基づき、状況に合わせた最適な調査と改善プランをご提案します

お悩みの際は、ぜひお気軽にお声がけください。

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