ゴミ屋敷の掃除業者を選ぶポイントとは?見積もり時の注意点も解説

「実家がゴミ屋敷になってしまって、どうしたらいいのかわからない」
「親の生活環境が心配だけど、なかなか片付けに手をつけられない」
「自分たちだけでは片付けるのが難しい」
以上のような悩みを抱えていませんか?
ゴミ屋敷の問題は、年々深刻化しており、特に高齢者世帯で増加傾向にあります。
放置すれば火災や衛生面のリスクが高まるだけでなく、近隣トラブルにも発展しかねません。
しかし、業者選びを間違えると、高額な請求や不適切な処理などのトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。
そこで本記事では、ゴミ屋敷の掃除業者の選び方から、具体的な依頼の流れまでを詳しく解説します。
実家や親族のゴミ屋敷問題で悩んでいる方、業者に依頼を検討している方は、ぜひ最後までご一読ください。
1.ゴミ屋敷の掃除業者とは?
ゴミ屋敷の掃除業者とは、ゴミ屋敷化した住居の清掃や環境の改善を専門に行う業者のことです。
一般的な掃除では対応が難しい、深刻な状態の住居を改善するプロとして活動しています。
特に大切なのは、大量の不用品を法律に則って適切に処分する能力を持っているという点です。
具体的な作業内容は、大きく分けて2つの工程があります。
1つ目は不用品の回収作業です。
部屋に溜まった大量のゴミや不用品を仕分け、リサイクル可能なものと廃棄するものを分別して処理します。
2つ目はハウスクリーニング作業です。
不用品を撤去した後、床や壁、設備などの洗浄や消臭を行い、快適な住空間を取り戻します。
業者は、上記の2つによって一般の方では手に負えないような状況でも、専門的な知識と技術を活かして対応するのです。
ゴミ屋敷の掃除業者とハウスクリーニングとの違い
ゴミ屋敷の掃除業者とハウスクリーニング業者の大きな違いは、サービス内容です。
ハウスクリーニング業者は、主に日常的な汚れの除去や美観の回復を目的としているのに対し、ゴミ屋敷の掃除業者は不用品の撤去から総合的な住環境の改善を行います。
ゴミ屋敷の掃除業者とハウスクリーニングとの違いについて、表にまとめました。
比較項目 | ハウスクリーニング | ゴミ屋敷の掃除業者 |
作業範囲 | ・キッチン、浴室、トイレなど特定の場所に焦点・日常的な清掃作業 | ・家全体を対象・大規模な改善作業 |
料金体系 | ・作業時間や面積に応じたシンプルな設定・比較的低額 | ・不用品の量や種類・処分費用を含む総合的な料金・一般的に高額 |
必要な許認可 | ・特別な許可は不要 | ・廃棄物処理に関する法的許可が必要 |
ハウスクリーニングはスポット的な清掃サービスなのに対し、ゴミ屋敷の掃除は廃棄物処理の資格を持つ専門業者による、より本格的で包括的な住環境改善サービスだといえるでしょう。
2.ゴミ屋敷の掃除業者を選ぶときのポイント4つ
ゴミ屋敷の掃除業者を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。
以下の4つのポイントを押さえて、信頼できる業者を選びましょう。
- 一般廃棄物収集運搬業と古物商の許可業者である
- 実績が豊富
- サービス内容が充実
- 見積もりが明確で透明性が高い
適切な業者を選ぶことで、安全かつ確実にゴミ屋敷の片付けを実現できます。
上記のポイントをそれぞれ解説します。
ポイント1.一般廃棄物収集運搬業と古物商の許可業者である
ゴミ屋敷掃除業者を選ぶ際、最も重要なポイントは一般廃棄物収集運搬業と古物商の許可を持っているかどうかです。
まず、一般廃棄物収集運搬業の許可がない業者に依頼すると、不適切なゴミ処理や不法投棄のリスクが高まります。
業者が不法投棄を行った場合、依頼主も法的責任を問われる可能性もあるのです。
ただし、一般廃棄物収集運搬業の許可を持っていない業者でも、「不用品の運搬は、一般廃棄物収集運搬業者に委託しています」という記載があれば、適切なゴミ処理が期待できます。
また、古物商の許可を得ている業者であれば、低価格で作業を行ってもらえる可能性が高まります。
昨今、ゴミ屋敷清掃は価格競争が激しくなり、低価格を実現できる業者は買い取り業務も出来ることが多いです。
買い取りまで出来る業者は、共通して幅広い転売網を保有し、買取力が高いと言えます。
ですので、業者選びの際は、必ず許可証の確認や委託先の確認を行いましょう。
ポイント2.実績が豊富
実績豊富な業者を選ぶことは、確実な作業完了のために重要です。
特に、ゴミ屋敷の清掃には害虫や害獣の駆除など、専門的な知識や経験が必要な作業を含みます。
実績の確認方法として、以下の点に注目しましょう。
- 直近2年間のゴミ屋敷清掃の実施件数
- 写真付きの施工事例の有無
- お客様の声や評価
- 対応可能なゴミの種類や量
信頼できる業者は、この情報をWebサイトで積極的に公開しています。
見積もりを取る前に、まずは信頼できるほど実績を持っている業者かどうかを確認してください。
ポイント3.サービス内容が充実
サービス内容が充実している業者を選ぶことで、より効率的かつ経済的にゴミ屋敷の片付けができます。
具体的には以下のようなサービスがあると便利です。
- 不用品の買取サービス
- 分別作業の代行
- 清掃後の消臭・除菌サービス
- 緊急対応や休日対応
特に不用品買取サービスがある場合、処分費用の一部を相殺できる可能性があります。
また、トラック積み放題プランは、ゴミの量が多い場合にコストを抑えられる魅力的なオプションです。
3.ゴミ屋敷の掃除業者の費用相場
ゴミ屋敷の掃除費用は、部屋の広さや物の量によって大きく変動します。
一般的な相場を紹介しましょう。
間取り | 費用の目安 |
1K〜1R(9㎡〜28㎡) | 80, 000〜280, 000円 |
1DK〜3LDK(25㎡〜70㎡) | 130, 000〜500, 000円 |
4DK〜(71㎡~) | 240, 000〜700, 000円 |
物量過多の部屋(ゴミ屋敷) | 要見積もり |
上記の費用には、一般的に作業員の人件費、運搬費、処分費が含まれていて、特殊な廃棄物がある場合は別途費用も発生します。
例えば、大型家具や電化製品が多い場合は処分費も高くなり、腐敗物や害虫の発生している場合は特殊清掃として追加費用が発生するなどです。
そのため、正確な費用は現地調査後の見積もりでないと分かりません。
見積もりの際は、作業内容や費用の内訳を詳しく確認することがおすすめです。
なお、自治体によってはゴミ屋敷の片付けに対する補助金制度を設けているところもあります。
お住まいの地域の制度を確認してみるのも良いでしょう。
4.ゴミ屋敷掃除の業者から見積もりを取るときの注意点
ゴミ屋敷の掃除を業者に依頼する際は、見積もりの段階で注意すべきポイントがいくつかあります。
特に以下の2点に気をつけることで、適正価格で信頼できる業者を選ぶことができます。
- 複数の業者から見積もりをとる
- 見積もり書の項目が詳細に記載されているかどうか
以上の注意点を守ることで、後々のトラブルを防ぎ、満足度の高い作業を依頼できます。
それでは、具体的な注意点を詳しく見ていきましょう。
注意点1.複数の業者から見積もりをとる
ゴミ屋敷の掃除業者を選ぶ際は、必ず複数の業者から見積もりを取得することをおすすめします。
業者によって料金体系や作業内容が異なるため、1社だけの見積もりでは適正価格かどうかの判断が難しいためです。
一般的に3社以上から見積もりを取ることで、料金の相場が把握しやすくなります。
また、各業者のサービス内容や対応の丁寧さを比較することも可能です。
質問の回答が明確で、丁寧な説明をしてくれる業者は、実際の作業でも安心して任せられることが多いでしょう。
複数の見積もりを比較することで、自分のニーズに最も合った業者を選定でき、不当に高額な費用を請求されるリスクも軽減できます。
注意点2.見積もり書の項目が詳細に記載されているかどうか
見積もり書の内容確認は、業者選びの重要なポイントです。
信頼できる業者は、作業内容や費用の内訳を詳細に記載した見積もり書を提示します。
特に確認すべき項目は以下のとおりです。
- 人件費(作業員の人数と時間)
- 車両費(運搬に使う車両の費用)
- 処分費(廃棄物の種類別処理費用)
- その他の経費(必要な道具や消耗品の費用)
- 買取金額(品目、数量、単位など)
見積もり書に曖昧な表現や大まかな合計金額しか記載されていない場合は要注意です。
悪質な業者は、作業開始後に「想定以上の作業が必要になった」などの理由をつけて、追加料金を請求します。
また、見積もり書の有効期限や支払い条件なども必ず確認しましょう。
この項目が明確に記載されていない場合は、業者に確認を取り、書面での追記を依頼することをおすすめします。
5.ゴミ屋敷の掃除業者に依頼する流れ
ゴミ屋敷の掃除業者への依頼は、以下の4つの流れで進んでいきます。
- 業者に問い合わせ
- 見積もりの取得
- 業者の選定と打ち合わせ
- 作業の実施
それぞれの流れについて、詳しく見ていきましょう。
流れ1.業者に問い合わせる
ゴミ屋敷の掃除業者に問い合わせる方法は、複数の方法があります。
インターネットの問い合わせフォームを利用すれば、24時間いつでも連絡が可能です。
最近では、LINEやメールでのお問い合わせにも対応している業者が増えています。
特にLINEは写真や動画を送れるため、部屋の状態を視覚的に伝えられるはずです。
また、多くの業者は無料相談を実施しているので、気軽に問い合わせられます。
流れ2.見積もりをとる
見積もりの取得は、通常、業者による現地調査を通じて行われます。
ゴミの量や種類、作業の難易度などを実際に確認することで、より正確な見積もりが可能になるからです。
最近では、写真や動画を送信することで、現地調査なしでも見積もりを出してくれる業者も増えています。
遠方にお住まいの方や、すぐに見積もりが必要な場合には、このようなサービスを使うのも1つの選択肢です。
流れ3.業者を選定、打ち合わせ
見積もりの内容を慎重に比較検討し、納得のいく業者を選定したら、具体的な打ち合わせに入ります。
打ち合わせでは、作業内容や料金の最終確認が重要です。
貴重品や思い出の品など、保管しておきたいものを確認します。
また、リサイクルや買取を希望する物がある場合も、この時点で明確に伝えることが必要です。
さらに、作業当日の段取りや、近隣住民への配慮についても確認しておきましょう。
些細な疑問点でも、この段階で解消しておくことで、スムーズな作業につながります。
流れ4.作業の実施
事前の打ち合わせで決めた日に作業開始し、不用品の仕分けから行います。
この際、事前に打ち合わせた保管品の取り扱いに細心の注意が必要です。
続いて、不用品の搬出作業が行われ、基本的な清掃を実施します。
多くの業者はオプションサービスとしてハウスクリーニングや害虫駆除、簡単な修繕作業なども依頼可能です。
最後に、作業完了後の確認を必ず行いましょう。
部屋の隅々まで確認して希望通りの仕上がりになっているか、保管品が適切に処理されているかをチェックし、問題がなければ作業完了です。
6.ゴミ屋敷の掃除は業者に依頼しよう
ゴミ屋敷の片付けは、専門知識と経験を持つ業者に依頼することで、安全かつ効率的に解決できます。
一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ信頼できる業者を選ぶことで、法律に則った適切な処理が可能です。
業者選びでは、実績の豊富さやサービス内容の充実度を重視しましょう。
また、複数の業者から見積もりを取り、詳細な内容を比較検討することで、適正価格での依頼が実現できます。
ゴミ屋敷の解消は、決して簡単な作業ではありません。
しかし、専門業者に依頼することで、確実に解決の道筋になります。
早めに専門業者に相談することで、この問題を未然に防ぐことができるでしょう。