事故や孤独死のあった部屋で、表面を拭き取っただけで「作業完了」とされる例があります。
見た目がきれいでも臭いが残るのは、血液や体液が畳や床の下地まで染み込んでいるからです。
見積書の「IICRC S540準拠」も、何に沿うのかは業者ごとに異なります。
S540は2023年に第2版が公開された、欧米のレストレーション業界における特殊清掃の標準です。
IICRCが発表した第2版の主な改訂点は、血液などが付いた物は一律に交換とは限らないこと、責任の明確化、清潔という用語の定義の3つにまとまります。
あわせて扱うのは、日本の制度との違いと見積書の確認点です。
読み終えるころには、賃貸管理会社(施設管理担当者)・物件オーナー・原状回復の元請け会社が、業者や協力会社の工程と完了の根拠を検証できるようになります。
1.IICRC S540とは|欧米の特殊清掃の標準が持つ3つの特徴

事故や孤独死の現場で、業者が「国際規格に沿って作業します」と説明することがあります。
この章で整理するのは、S540が何を対象に、どこまでを定める規格なのかです。
ここを知らないと、規格を名乗る説明が妥当かどうかを判断できません。
- 対象は血液とその他の感染性物質による汚染
- 調査から清潔さの確認まで作業全体を網羅する
- 法令ではない任意の規格で教育の代わりにならない
まずは対象の範囲から見ていきます。
特徴1.対象は血液とその他の感染性物質による汚染
S540は、血液とその他の感染性物質(OPIM)による汚染を対象にした、欧米のレストレーション業界における特殊清掃の標準です。
IICRCは米国の汚染除去と復旧の規格を定める団体で、S540の現行版は2023年の第2版にあたります。
正式名称は「ANSI/IICRC S540」で、ANSIは米国の国家規格を認定する機関です。
OPIMとは血液以外の感染のおそれのある体液や組織を指し、米国のOSHA(労働安全衛生局)の血液媒介病原体基準では、区別できない体液はすべてOPIMに含めます。
腐敗が進んだ現場では体液の種類を見分けられないため、B型・C型肝炎ウイルスやHIVなど血液を介して感染する病原体を想定し、汚染全体を感染のおそれがあるものとして扱い、作業の計画も汚染全体で立てるのが前提です。
規格は警察や規制当局による現場の解放後が前提で、作業の着手も解放後になります。
この対象は、2017年に出た初版から変わりません。
特徴2.調査から清潔さの確認まで作業全体を網羅する
S540は、調査と判定から、作業後の状態を確かめる清潔さの確認まで、特殊清掃の作業全体を12の構成要素で定めています。
見積書が「除去・消臭」の項目だけで終わっていると、どこまでを請け負うのか分かりません。
特殊清掃は、調査と判定、防護と隔離、除去、洗浄・除菌、構造物と家財の扱い、廃棄物の処分、完了確認が連なる作業だからです。
調査を飛ばすと撤去範囲が決まらず、完了確認がなければ何が終わったのかを確かめられません。
見積書は、この流れのどこまでを請け負うかで比べます。
| 作業の流れ | 関連する規格の構成要素 | 見積書で見る記載 |
| 調査と判定 | 調査と予備判定 | 汚染範囲の調査 |
| 防護・除去・洗浄・除菌 | 安全と健康、除菌薬剤の技術、構造物の復旧、内容物(家財)の復旧 | 保護具、撤去範囲、洗浄と除菌の工程 |
| 完了確認 | 清潔さの確認 | 完了確認の方法 |
特徴3.法令ではない任意の規格で教育の代わりにならない
S540は法令ではなく、業者が守ると決めて使う欧米の業界規格です。
契約や雇用主、自治体などが採用した場合に、はじめて拘束力を持つことがあります。
手順を教える教科書でも、教育の代わりでもないため、「S540準拠なので安心」と説明されても、規格名だけでは技術や工程が伴うとは限りません。
なお、IICRCは現行の第2版について、すでに改訂作業の開始を告知している段階です。
規格名の記載は品質の証明にならないため、業者の申告の確かめ方はポイント1で扱います。
2.S540第2版で明確になった3つの改訂点を整理する

IICRCが発表した第2版の主な改訂点は、次の3つです。
内容を知ると、「新規格に対応」という言葉の中身を確かめられます。
知らないままでは、宣伝文句をそのまま受け取りかねません。
| 項目 | 初版(2017) | 第2版(2023) |
| 発行 | 2017年 | 2023年(初版の更新版。IICRCの発表は2023年12月15日付) |
| 対象範囲 | 血液とOPIMの汚染の調査と作業計画 | 同じ(警察・規制当局による現場の解放後が前提な点も同じ) |
| 明確になった点 | - | 血液などが付いた物の扱い・責任・清潔の定義 |
| 現在の位置づけ | 旧版 | 現行版(IICRCが次の改訂作業の開始を告知) |
- 血液などが付いた物は一律に交換とは限らない
- 作業者から会社経営層まで責任が明確になった
- 清潔という用語が定義され明確になった
それぞれ詳しく見ていきましょう。
改訂点1.血液などが付いた物は一律に交換とは限らない
第2版は、血液やその他の感染性物質が付いた家財や構造物(床・壁・下地など建物そのもの)は必ずしも交換が必要でなく、多くは安全で衛生的に使える状態へ復元できると整理しました。
現場では、汚れた畳・床・家具を全部捨てるか、拭いて残すかで、業者の提案と見積額が割れやすいのが悩みどころです。
第2版は、多孔質と半多孔質の構造材についても、取り扱いと復元の可能性を明確にしています。
本記事での多孔質は、細かい穴が多く液体や臭いを吸い込みやすい材料のことです。
半多孔質は、多孔質ほど吸い込まないが、傷や継ぎ目から液体が入りうる材料を指します。
規格が復元の可能性を示す一方で、実務で残すか撤去するかを分けるのは、材料の種類と、汚染が内部まで届いたかどうかです。
内部まで届いた汚染は表面の洗浄では除去しきれないため、全部撤去ありきの提案も、拭くだけの対応も、根拠が十分とは言えません。
汚染が内部へ届いたかを調べ、材料ごとに残すか撤去するかを決める考え方が実務の軸になります。
改訂点2.作業者から会社経営層まで責任が明確になった
IICRCは第2版で、作業者・認定技術者・現場責任者・会社経営層それぞれの責任を明確にしたと発表しています。
現場責任者は、現場で判断と管理を担う人で、発表ではプロジェクトマネージャーまたはクルーチーフと表現される立場です。
特殊清掃では、現場ごとに汚染の範囲や撤去の要否を判断する場面が多くあります。
誰が何を判断したかが曖昧だと、防護や記録に抜けがあっても気づけません。
TCST(トラウマ・事故事件現場修復技術者)は、S540を基盤にしたIICRCの認定資格です。
資格や現場責任者の確認の仕方は、ポイント3で扱います。
改訂点3.清潔という用語が定義され明確になった
IICRCは第2版で、重要用語の清潔(規格上の用語はclean)を定義し、意味を明確にしました。
完了報告に「除菌済み」とあっても、何をもってそう言うのか分からず、見た目はきれいなのに臭いが残る例も珍しくありません。
見た目の汚れが取れても、血液や体液に由来する有機物(生き物由来の汚れ)が材料の内部や目地に残ることがあります。
有機物が残ったままでは除菌剤が汚れに阻まれて届かないため、洗浄が先で除菌が後という順序も欠かせません。
目視と臭いだけでは残りを確かめられず、完了の基準が業者ごとにばらつくのが問題です。
規格は構成の最後に、完了確認(清潔さの確認)を置いています。
ただし規格は任意のため、業者がどの基準で清潔と判断したかは、説明を受けて確かめるべき点です。
清潔と判断した根拠の確かめ方は、ポイント3で扱います。
3.染み込む材料を残すか撤去するかの線引き

血液や体液が付いた材料は、細かい穴の多い材料(多孔質)か、水を通さない面かで扱いが分かれます。
ここからは、規格の基準ではなく、公的な資料と現場の実務にもとづく判断の軸です。
線引きを知ると、業者が示す撤去範囲の根拠を確認できます。
知らないと、必要な撤去が抜けて臭いが戻るか、不要な全撤去で費用が膨らみかねません。
- 内部まで届いていない面は洗浄で残せる
- 内部へ染み込む畳や石膏ボードなどは撤去が前提
- 木の床など中間の材料は浸透の確認で決める
それぞれの判断軸を以下で示します。
線引き1.内部まで届いていない面は洗浄で残せる
実務では、金属・ガラス・タイルの面のように水を通さない面(非多孔質)は、湿式洗浄(湿らせて汚れを洗い取る作業)のあとに除菌をすれば残せます。
液体が内部へ染み込まず表面にとどまるうえ、有機物が残ると除菌剤が汚れに阻まれて届かないため、順序は洗浄が先で除菌が後です。
米国の疾病対策センター(CDC)の医療施設向け指針も、目に見える汚れを吸収材で取り除いてから除菌剤を使う手順を示しています。
米国のOSHAの血液媒介病原体基準も、汚染された作業面は適切な除菌剤で除菌するよう求める内容です。
ただし目地・継ぎ目・端部は液体が入り込みやすいため、別に扱います。
クッションフロアなら、継ぎ目や巾木(壁の下端の板)の際から液体が下地の合板へ入りかねません。
残せる面は、湿式洗浄、除菌、確認の順で扱い、継ぎ目や端部は内部の確認も必要です。
線引き2.内部へ染み込む畳や石膏ボードなどは撤去が前提
実務では、内部へ染み込む多孔質の材料(畳・石膏ボード・断熱材・合板の下地など)は、染み込みが確認できれば撤去が前提になります。
体液が付いた畳や石膏ボードの表面を拭いて消臭剤を噴霧しただけで「完了」とされ、臭いが戻る例がありますが、これは美観目的に近い対応です。
※ここで紹介する行為は美観目的であり、汚染を修復する行為ではございません
毛細管現象(細い隙間を液体が伝って入り込む現象)で、液体は細かい穴の奥まで入り込みます。
洗浄剤や除菌剤は内部まで届きにくく、閉じ込められた汚染は薬剤だけでは取り除けません。
残った血液や体液のたんぱく質が微生物に分解されると、硫化水素などの硫黄を含む成分や、アミン類といった腐敗臭の元になる成分が出ます。
気体として広がるため、液体が届いた範囲より遠くまで臭いが及ぶのが、「拭いたのに奥から臭いが出てくる」感覚の正体です。
撤去は汚染が及んだ範囲に絞り、全体の解体にはしません。
撤去後は洗浄・除菌をし、そのあとの工程として、微細な孔に残る汚染に封孔処理(封止。材料の細かい穴を塞ぐ処理)を行います。
不十分な前処理、または前処理なしのオゾン単独施工や消臭剤の噴霧は、内部の汚染源が残る点で同じです。
線引き3.木の床など中間の材料は浸透の確認で決める
実務では、木の床や木の建具は、浸透が確認できなければ洗浄で残し、確認できれば撤去します。
欧米のレストアラー(復旧業者)の間でも、残すか撤去するかの判断が分かれやすい材料です。
木は水を吸いますが、塗装や仕上げ、厚みの違いで染み込み方が変わります。
傷や継ぎ目から入った液体は、板の裏や下地へ回ることがあり、表からは見えません。
木の床は、半多孔質に当たることが多いと見ます。
浸透の確認に使うのは、裏側や下地の開口(壁や床の一部を開けて内部を確認すること)、含水率計(材料に含まれる水分の割合を測る機器)、写真記録です。
含水率計は液体が届いた範囲の目安を見る機器で、乾いた体液の汚染は数値に出ないため、開口による目視と臭いの確認を併せます。
全撤去ありきの提案も、確認なしの洗浄だけの対応も不十分です。
| 材料 | 例 | 基本の判断 |
| 非多孔質 | 金属・ガラス・タイルの面 | 湿式洗浄と除菌で残す(目地・継ぎ目は内部を確認) |
| 半多孔質 | 木の床・木の建具 | 浸透の確認で残すか撤去するかを決める |
| 多孔質 | 畳・石膏ボード・断熱材・合板の下地・布張りの家具 | 染み込みが確認できれば撤去する |
4.S540を日本の現場に当てはめるときの2つの注意点

見積書や作業説明に「OSHA準拠」「米国の基準で処理」とあると、日本でも同じ決まりがあるように見えます。
ただ、S540やOSHAは米国の規格と法令で、作業者の保護と廃棄物の扱いは日本の法令で考えるのが前提です。
この2点を押さえておくと、業者の説明が米国の話か日本の話かを聞き分けられます。
- 作業者の保護は日本の法令で考える
- 廃棄物の区分は日本の廃棄物処理法で決まる
それぞれの注意点を見ていきます。
注意点1.作業者の保護は日本の法令で考える
OSHAの血液媒介病原体基準は米国の雇用主に向けた法令であり、日本の制度ではありません。
見積書に「OSHA準拠」「米国の安全基準」とあっても、何を指すのか分からない場合があります。
この基準は、労働者が血液やOPIMに触れるおそれがある場合に、書面の暴露管理計画(作業者が汚染に触れる機会を減らすための計画)、保護具、B型肝炎ワクチン、教育訓練などを雇用主に求める法令です。
日本では、労働安全衛生法が、病原体などによる健康障害を防ぐ措置を事業者に義務づけています。
一方で、特殊清掃の事業者を評価・認証する公的な基準は、日本では見当たりません。
そのため日本では、事業者が自ら採る水準が品質の差になり、見積書や作業説明に保護具の水準、隔離、作業者の管理が書かれているかで判断します。
見るべきは「OSHA準拠」という言葉ではなく、中身です。
注意点2.廃棄物の区分は日本の廃棄物処理法で決まる
日本の廃棄物の区分は廃棄物処理法に基づいて決まり、米国の運用をそのまま当てはめることはできません。
見積書や説明に「感染性廃棄物として処理」「バイオハザード廃棄物」と書かれていても、米国の運用を日本にそのまま当てはめている場合があります。
S540の廃棄物の項目が扱うのは、米国で規制対象とされる廃棄物(OSHAでは液状・半液状の血液やOPIM、液状になりうる汚染物など)の梱包・輸送・処分です。
一方、日本の感染性廃棄物は、環境省の感染性廃棄物処理マニュアルで、医療関係機関等(病院・診療所・介護老人保健施設など)から生じ、感染のおそれのある病原体が含まれ、または付着している廃棄物として定義されています。
米国の区分と日本の区分は枠組みが別です。
住宅や賃貸物件の現場の廃棄物は、一般廃棄物か産業廃棄物か、特別管理廃棄物に当たるかを含め、廃棄物処理法上の区分が排出の状況で決まり、扱いは自治体によって異なる場合があります。
5.見積書と作業説明で確認したい3つのポイント

この章で示すのは、見積書と作業説明から範囲と完了の根拠を検証するための、3つの確認項目です。
項目を知ると、見積書を比べる軸が決まります。
知らないと、「準拠」「国際規格」といった言葉の印象で比べることになりかねません。
- 準拠する規格の範囲が書かれているか
- 汚染の浸透範囲と下地まで踏み込む工程か
- 完了の根拠と作業者の資格が示されているか
各項目の中身に入ります。
ポイント1.準拠する規格の範囲が書かれているか
「国際規格準拠」とだけ書かれた見積書は、どの範囲に沿うのかが分からず、比べることができません。
規格は法令ではない任意のもので、日本には準拠を確かめる公的な制度が見当たらないためです。
申告だけでは、調査・除去・完了確認のどこまでに沿うのかが読み取れません。
見積書や作業計画では、次の項目を確認します。
- 準拠する範囲(調査・除去・完了確認のどこまでか)
- 準拠の内容を契約書や作業計画に明記するか
元請け会社は、協力会社への指示書にも同じ項目を入れておくと、着手後の認識違いによる手戻りを防ぐうえで有効です。
見積書に範囲と根拠が書かれているほど、損害保険登録鑑定人(独立した鑑定会社の場合が多い)も範囲の妥当性を確かめやすくなります。
ポイント2.汚染の浸透範囲と下地まで踏み込む工程か
業者の工程が、汚染源である床の下地や壁内などの内部まで、どこまで踏み込んでいるかを確認します。
見える汚れの除去と消臭剤の噴霧、オゾン消臭だけで終わる工程は、内部の汚染源に届いていないことが多いものです。
線引き2で見たとおり、内部に残った汚染から臭いが再び出てきます。
見積書で確認する項目は、次のとおりです。
- 浸透の調査(開口・含水率計・写真)の記載
- 撤去する範囲とその根拠
- 撤去後の洗浄と封孔処理の記載
- オゾンが最終段階に置かれているか
元請け会社にとっては、汚染源を残したまま内装工事へ進むと、仕上げ後に臭いが戻り、解体からやり直す手戻りになります。
着手前に浸透の調査と撤去範囲を決めておくことが、協力会社への指示の前提です。
私たち4RCは、原因物質の調査と浸透の調査を行ったうえで、必要範囲の撤去・洗浄・封孔処理に進みます。
ポイント3.完了の根拠と作業者の資格が示されているか
完了報告が「作業完了」の一言だけでは、誰がどの方法で完了を確かめたのかが分かりません。
改訂点で見た責任と清潔という用語の明確化を受け、次の項目を確認します。
- 引き渡し時点の完了確認の方法(目視と臭いに加え、測定を併用するか)
- 完了確認の結果について説明を受けられるか
- 現場責任者とIICRC認定技術者(TCSTなど)の関与
- 保護具と隔離の記載
欧米の復旧事業者の解説には、目視と臭いに加えてATP検査を併用する例があります。
ATP検査とは、生き物の細胞が持つエネルギー物質を測り、有機物の汚れの残りの目安にする検査です。
実施するかどうかは、費用と目的で決まります。
争いが見込まれる案件では、第三者の判定を契約に入れておくのが確実です。
6.特殊清掃の汚染範囲の確認と復旧なら4RCへお声がけください
見た目の汚れの外側、つまり下地や内部まで汚染が届いているかを確かめることが、特殊清掃の復旧の出発点です。
私たち4RCは、IICRC国際規格に準拠した薬資機材を活用し、汚染制御(防護・隔離)、養生、原因物質の除去、洗浄、除菌・消臭の順に作業を進めます。
保有する認定の一部は、IICRCのOCT(臭気制御技術者)・FSRT(火災煙害復旧技術者)・TCST(トラウマ・事故事件現場修復技術者)と、カビ除去の分野では世界各国に研究所を持つ空気質の開発研究会社である21st GlobalのGMT(カビ除去専門家)です。
見積書の作業範囲や浸透範囲、完了の根拠に不安があれば、現場の状況を伺ったうえで、範囲についてのご相談を承ります。
賃貸管理会社・物件オーナー・原状回復の元請け会社の方は、4RCまでお気軽にご相談ください。
7.まとめ
本記事で見たS540第2版の考え方を、要点として整理します。
- S540は欧米のレストレーション業界における特殊清掃の標準で、第2版(2023)が現行の任意規格です
- IICRCが発表した主な改訂点は、血液などが付いた物の扱い・責任の明確化・清潔の定義の3つです
- 実務では、残すか撤去するかを、材料の種類と、汚染が内部まで届いたかで判断します
- 作業者の保護と廃棄物の区分は、米国の規制ではなく日本の制度で考えます
- 見積書は、準拠する範囲・浸透範囲と下地・完了の根拠で検証します
規格名ではなく、根拠を説明できる業者かどうかを見れば、手戻りや臭いの再発を防ぎやすくなります。
賃貸管理会社・物件オーナー・原状回復の元請け会社の方は、範囲の判断に迷う段階で専門業者に相談することも選択肢です。
