ゴミ屋敷の片付けは自力?業者?判断基準やそれぞれのメリット・デメリットを解説

「ゴミ屋敷の片付けを始めても、途中で心が折れてしまう」「どこから片付けたらいいのかわからない」というお悩みを抱えていませんか?
放っておけば放っておくほど状況が悪化するとわかっているものの、なかなか片付けが進まず途方に暮れている人は意外と多いものです。
また、自力で片付けられないと内心ではわかっていながらも「業者に依頼するほどではない」「他人に家の状態を見られたくない」という思いから、後回しにしてしまっている人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では「ゴミ屋敷の片付けは自力でできるのか」「どこまでであれば自力で片付けられるのか」「いつ業者に依頼すべきか」という判断基準についてまとめました。
また、ゴミ屋敷を効率的に片付けるための具体的な方法と、業者に依頼する際の費用相場や選び方のポイントについてもまとめています。
ゴミ屋敷をなんとか片付けたいと考えている人は、ぜひ最後までご一読ください。
1.ゴミ屋敷の片付けは自力でできる?判断基準を紹介
ゴミ屋敷の片付けを自力で行うことは理論上可能ですが、その判断をするには慎重な検討が必要です。
実際に自力での片付けに挑戦できるかどうかは、いくつかの基準で見極めることができます。
まず、自力での片付けが可能なケースの特徴を紹介します。
- 住居の広さが3DK以内
- 室内に最低限の移動スペースが確保されている
- ゴミの山が天井まで達していない
- 水道やトイレなどの水回りが正常に使用できる
- 新聞や雑誌など、すぐに分別して処分できるゴミが中心
- 仕分けに時間がかかるものが少ない
- 害虫の発生や強い悪臭がない
これらの条件を満たしている場合、自力での片付けが可能な可能性があります。
特にゴミの量が少なく衛生状態が著しく悪化していない状況であれば、計画的に進めることで十分に対応できるでしょう。
一方で、この条件に当てはまらない場合では、安全面や衛生面に配慮するためにも専門業者への依頼を強くおすすめします。
自力での片付けは、あくまでも安全に実施できる範囲内で行うことが重要です。
判断に迷う場合は、まずは業者に相談して現在の部屋の状態を見てもらうことをおすすめします。
プロ目線での適切なアドバイスを得ることで、より良い方向性を見出すことができるでしょう。
2.ゴミ屋敷を自力で片付ける2つのメリット
ゴミ屋敷の片付けを自力で行うことには、大きくわけて以下の2つのメリットがあります。
- 費用が少なく済む
- 自らのペースで片付けられる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット1.費用が少なく済む
ゴミ屋敷の片付けを自力で行えば、業者に依頼するよりも費用が抑えられます。
業者に依頼する場合、作業員の人件費や車両費用、諸経費などが含まれるため、数万円から数十万円の費用がかかることも珍しくありません。
一方、自力での片付けなら、基本的にゴミの処分費用だけで済みます。
一般ゴミは自治体の指定袋で出せば収集してもらえますし、粗大ゴミも自治体の定める料金で処分できます。
エアコンや冷蔵庫などの家電4品目も、リサイクル料金と運搬費用のみで処分が可能です。
計画的に進めれば、まとまった資金がなくてもゴミ屋敷を片付けられるでしょう。
メリット2.自らのペースで片付けられる
自らのペースで片付けられる点も自力での片付けを行うメリットです。
仕事や家事の合間に少しずつ行う、あるいは休日にまとめて行うなど、無理のないペース配分が可能です。
また、他人に部屋の状態を見られることなく作業できる点も大きな安心感につながり、落ち着いて作業に取り組めます。
さらに、片付けの過程で思い出の品と向き合う時間も十分に取れます。
焦ることなく、1つひとつのものについて「捨てるか残すか」じっくり考えることができるため、後悔のない整理整頓が可能です。
3.ゴミ屋敷を自力で片付ける3つのデメリット
一方、ゴミ屋敷の片付けを自力で行う場合は、以下3つのデメリットも十分に理解しておく必要があります。
- 手間や時間、体力が必要
- ゴミ処理場にゴミを運ぶ必要がある
- 途中で挫折してしまうケースもある
特に体力や判断能力に自信のない人や高齢者は慎重な判断が必要です。
デメリット1.手間や時間、体力が必要
ゴミ屋敷の片付けでは、大量のゴミを1つひとつ仕分けし、運び出す必要があります。
この作業には想像以上の時間と体力を要するため、6畳分のゴミを片付けるだけで丸一日以上かかることも珍しくありません。
また、重いものを持ち上げたり運んだりする作業が続くため、腰痛や筋肉痛になる可能性も高まります。
特に夏場は熱中症の危険もあり、体力的な負担は相当なものとなります。
さらに、ほこりや雑菌、カビにさらされることで、健康を害するリスクも無視できません。
デメリット2.ゴミ処理場にゴミを運ぶ必要がある
ゴミ屋敷から出た大量のゴミは、自力で処理場まで運搬する必要があります。
一般的な家庭ゴミとは違い、軽トラックやワゴン車などの大型車両が必要となるケースがほとんどです。
また、自治体によって定められた厳密な分別ルールに従う必要があり、可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ、粗大ゴミなど、種類ごとに異なる処理場へ運ばなければなりません。
さらに車両のレンタル費用や、処分場での処理費用がかかることも考慮する必要があります。
もし自力での運搬が難しければ、行政が行っている有料の回収サービスである「一時多量ごみ」や「臨時ごみ」の制度を利用するのも良いでしょう。
デメリット3.途中で挫折してしまうケースもある
ゴミ屋敷の片付けは、想像以上の作業量に圧倒されて途中で挫折してしまうケースが少なくありません。
特に、1人で片付ける場合は精神的な負担も大きく、モチベーションの維持が困難です。
また、ゴキブリやネズミなどの害虫や、腐敗物による悪臭に直面した際、適切な対処方法が分からず作業が停滞することもあります。
不要品の分別に時間がかかり過ぎたり、捨てることへの罪悪感から作業が進まなくなったりすることも多いです。
またそもそも、片付けの計画が立てられなかったり、片付けを後回しにしてしまったりすることもあるでしょう。
4.ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する3つのメリット
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼するメリットは、以下の3つです。
- 即日・短時間で片付けられる
- 大量のゴミの処分も任せられる
- 貴重品の買取やハウスクリーニングなども依頼できる
以下で具体的な内容を見ていきましょう。
メリット1.即日・短時間で片付けられる
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼するメリットは、即日・短時間で片付けられる点です。
プロの清掃スタッフが複数人で作業にあたるため、自力で片付ける場合と比べて圧倒的な作業スピードを実現できます。
例えば6畳一間のゴミ屋敷であれば、経験豊富な業者なら半日程度で片付けが完了するケースも少なくありません。
また、緊急で片付けが必要な場合でも、即日対応可能な業者も多く存在します。
急な引っ越しや、不動産売却の期限が迫っているような場合でも十分に間に合わせることができるでしょう。
メリット2.大量のゴミの処分も任せられる
ゴミ屋敷の片付けでもっとも負担になるのが大量のゴミの処分ですが、業者に依頼すれば面倒な作業をすべて任せることができます。
プロの業者は、一般ゴミ、粗大ゴミなど、さまざまな種類のゴミを適切に分別し、正しく確実に処分してくれます。
自治体の規則や廃棄物処理法を熟知しているため、知らないうちに違法な処分をしてしまうリスクもありません。
またゴミの搬出作業も業者が行うため、重いものを運ぶ必要もなく、体力的な負担を気にする必要がない点もメリットです。
メリット3.貴重品の買取やハウスクリーニングなども依頼できる
ゴミ屋敷の中には、実は価値のあるものが眠っているケースが少なくありません。
そこで、買取対応可能な業者に依頼することで、不用品を現金化して清掃費用の一部と相殺できる可能性があります。
古い着物や骨董品、切手コレクションなどの貴重品がある場合は特におすすめです。
また、必要に応じて害虫駆除や消臭・除菌作業、ハウスクリーニングまで一括で依頼できる業者も多く、片付けと同時に清潔で快適な空間を取り戻すことができます。
5.ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する2つのデメリット
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する場合にも、以下のようなデメリットがあります。
- 費用がかかる
- 家の中を見られることにストレスを感じる可能性がある
それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。
メリット1.費用がかかる
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する場合、相応の費用負担が必要になります。
一般的な相場として、1R~1Kの片付けで8~28万円程度、4DK以上の場合で24~70万円程度の費用がかかります。
特に以下のような状況では、さらに費用が上乗せされる可能性があります。
- 腐敗物や害虫の発生がある場合
- 家具や家電などの大型廃棄物が多い場合
- 緊急対応や即日作業を依頼する場合
- 分別作業やハウスクリーニングを含める場合
分別などはできる限り自力で行う、片付け当日までになるべく自力でも一般ゴミを処分するなどの対策をすることで負担が軽減できます。
メリット2.家の中を見られることにストレスを感じる可能性がある
ゴミ屋敷を見られることにストレスを感じる可能性があるという点もデメリットです。
「ここまでゴミを溜め込んでしまったことで、好奇の目で見られるのではないか」「どのような顔をして立ち会えばいいのか」といった羞恥心や不安を覚える方も少なくありません。
しかし、実績があり信頼できる業者は以下のような配慮を心がけています。
- 作業前の丁寧なヒアリングと説明
- 守秘義務の徹底
- 写真撮影や個人情報の取り扱いへの配慮
- 作業員の教育
また、ゴミ屋敷清掃を得意とする業者はさまざまな実績があるため、利用者に寄り添ってくれたり、再発防止のためのアドバイスをくれたりすることが一般的です。
業者選びの際は、プライバシーポリシーや作業方針をしっかりと確認し、信頼できる業者を選定することで、心理的なストレスを最小限に抑えることができます。
6.業者にゴミ屋敷の片付けを依頼するときの費用相場
ゴミ屋敷の片付け費用は、部屋の広さとゴミの量によって大きく変動します。
基本的な作業費用の相場は以下のとおりです。
間取り | 費用相場 |
1R~1K | 8~28万円 |
1DK~3LDK | 13~50万円 |
4DK以上 | 24~70万円 |
ただし、上記は作業費用の目安であり、別途ゴミの処分費用が必要になります。
処分費用は地域によって大きく異なり、自治体ごとに料金設定が異なります。
地域 | 処分費用(1kgあたり) |
東京23区 | 17,5円/kg |
横浜市 | 13円/kg |
名古屋市 | 20円/kg(運搬費用込み) |
大阪市 | 27円/kg(運搬費用込み) |
福岡市 | 14円/kg |
例えば、2DKの物件で200kgのゴミが出た場合、東京23区では処分費用だけで3,100円かかり、運搬費用も別途必要です。
見積もりを依頼する際は、以下の3点を必ず確認しましょう。
- 作業費用に含まれる作業範囲
- ゴミの処分費用の計算方法
- 運搬費用の有無
また、追加料金が発生する可能性がある廃棄物(家電製品、布団、自転車など)の有無も事前に伝えておくことで、正確な見積もりを取ることができます。
7.ゴミ屋敷の清掃業者を選ぶときの注意点
ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼する際は、以下の3点に注意しましょう。
- ゴミ屋敷清掃の実績がある業者を選ぶ
- 依頼する作業範囲を明確にしておく
- 複数の業者から見積もりを取って比較する
それでは、注意点について詳しく見ていきましょう。
注意点1.ゴミ屋敷清掃の実績がある業者を選ぶ
ゴミ屋敷の片付けには、一般的な清掃や片付けとは異なる専門的なノウハウが必要なため、業者選びでは過去の清掃実績や専門性を必ず確認しましょう。
実績豊富な業者は公式サイトやパンフレットで施工事例を公開していることが多く、ビフォーアフターの写真で作業の質を確認できます。
さらに、産業廃棄物収集運搬許可証や古物商許可証など、専門的な資格や許可を持っているかもチェックポイントです。
注意点2.依頼する作業範囲を明確にしておく
予想外の費用を防ぐために、依頼する作業範囲を明確にしておくことが大切です。
ゴミの処分だけでなく、ゴミの分別や貴重品の仕分け、ハウスクリーニングなど、追加で依頼したいサービスがある場合は、事前に業者に伝えておく必要があります。
また、衣類や書類の仕分けを事前に済ませておくなど、自分で行う作業を明確にしておくことで、費用を抑えられます。
注意点3.複数の業者から見積もりを取って比較する
適正価格で依頼するために、最低でも3社から見積もりを取ることをおすすめします。
見積もり比較のポイントは、単なる価格だけでなく、作業内容の詳細や追加費用の有無まで含めて総合的に判断することです。
例えば、基本料金は安くても、廃棄物処分費や清掃費用が別途必要になる場合もあります。
見積もり時には、作業内容を細かく確認し、見積書に明記してもらいましょう。
不明な点があれば、その場で質問して解消することが重要です。
8.ゴミ屋敷を確実に片付けたいならプロに依頼しましょう
ゴミ屋敷を確実に片付けたいなら、専門業者への依頼を強くおすすめします。
その理由は、まず作業の確実性にあります。
腐敗物の処理や害虫対策、ゴミの分別など、素人では見落としがちなポイントもプロの目があれば安心です。
また、自力での片付けは、仕事や家事の合間を縫って行うため、完了までに数か月以上かかったり、そもそも全く進まなかったりすることも珍しくありません。
一方、業者に依頼すれば短期間で片付けを完了できます。
自力で片付けする場合よりも費用は高額になりますが、作業効率や安全性、確実性などを考慮するとむしろ費用対効果は高いといえます。
安心して依頼するためにも、見積もり時の対応や料金の透明性、実績などをしっかりと確認し、信頼できる業者を選びましょう。