火事による煤汚れの落とし方は?範囲・箇所ごとに解説

「火事の後、天井や壁に広がった煤汚れが全然落ちない」
「通常の掃除用具や洗剤では対処できない」
「業者に依頼すべきか迷っている」
といった悩みを抱えていませんか?
火災による煤汚れは、誤った方法で掃除をするとかえって煤が広がってしまったり、建材を傷めてしまったりするリスクがあります。
一方で汚れの程度や範囲によっては、適切な道具と方法を用いることで自力での清掃が可能な場合もあります。
大切なのは、状態を正しく見極め、煤汚れに応じた適切な対処方法を選ぶことです。
そこで本記事では、天井や壁、床など場所ごとの煤汚れの落とし方や、自力で実践する際の重要なポイント、そして業者への依頼が必要なケースについて詳しく解説します。
火災後の煤汚れに悩まれている方、効果的な清掃方法を知りたい方は、ぜひ最後までご一読ください。
目次
1.煤汚れの落とし方は汚れの範囲によって異なります
火災後の煤汚れの落とし方は、以下のように汚れの範囲によって大きく異なります。
- 煤で汚れた範囲が1~3割ほどの場合
- 煤で汚れた範囲が3割以上の場合
上記の2つのケースにわけて、それぞれの対処方法を詳しく説明します。
ケース1.煤で汚れた範囲が1~3割ほどの場合
煤で汚れた範囲が1~3割ほどと、範囲が比較的小さい場合は自力での清掃作業が可能です。
しかし、有害物質が浮遊している環境下での作業となるため、安全には可能な限りの配慮が必要です。
作業中の換気や防塵防毒マスク、長袖などの皮膚が露出しない格好をするなど健康被害を少しでも低減した状態で作業を行うようにしてください。
まず専用のスポンジ(ケミカルスポンジ/スモークスポンジ)を使用して、煤を軽く拭き取ることから始めましょう。
この際、強く擦ると煤が広がってしまうため、優しく押さえるように拭き取ることが重要です。
次に、専用のスポンジ(ケミカルスポンジ/スモークスポンジ)やクリーナーを使用して、残った煤を丁寧に除去します。
作業中は必ず換気を行い、防塵マスクを着用して煤の粉じんを吸い込まないように注意してください。
また、一度使用した清掃道具は再利用せず、新しいものに交換することで、汚れの再付着を防げます。
ケース2.煤で汚れた範囲が3割以上の場合
煤汚れが3割以上に及ぶ場合は、専門業者への依頼を強く推奨します。
自力での清掃は煤をさらに広げてしまったり、建材を傷めたりするリスクが高くなります。
ダイオキシンに限らずですが火災現場で発生する有害物質は「中毒性」と「発がん性」があることが国内外の研究結果で認められています。
また、前述の汚染経路は「直接吸入や経皮曝露」とされているため、適切な防護をしていない状況での作業は推奨できません。(日本含む世界的に推奨されていません)
特に天井や壁面の広範囲な煤汚れは、適切な技術と専用の機材がないと除去は困難です。
どうしても自力で清掃を行う必要がある場合は、以下の点に特に注意を払う必要があります。
まず、大量の煤は作業中に空気中に舞い上がるため、十分な換気と防塵マスクの着用を徹底してください。
天井や高所の作業では必ず安定した脚立を使用し、可能であれば安全帯などの安全具も併用しましょう。
また、一度に広い範囲を清掃するのではなく、小さな区画にわけて段階的に作業を進めることで、煤の飛散を最小限に抑えられます。
2.天井についた煤の落とし方
天井についた煤の落とし方は、次のとおりです。
- 床にシートを敷いて養生する
- はたきや柔らかいブラシで煤を軽く払い落す
- 専用スポンジで表面の煤汚れ(油分)を拭き取る
- 重曹水を作り、清潔な布に含ませて絞る
- 一定方向に拭き取る
- 扇風機などで十分に乾燥させる
天井の煤落としでもっとも重要なのは、強くこすらないことです。
一方向の拭き取りを心がけることで、煤が広がるのを防げます。
板張りの天井では木材専用クリーナーを使用し、通常の水拭きは避けましょう。
作業時はマスク、手袋、保護メガネを着用することも大切です。
また範囲が広いとき、天井が高いときは専門業者への依頼を検討してください。
3.壁についた煤の落とし方
壁についた煤の落とし方は、次のとおりです。
- はたきで表面の煤を払い落とす
- 専用スポンジで表面の煤汚れ(油分)を拭き取る
- 乾いた布で優しく拭き取る
- 壁紙に応じた洗剤を選び拭き取る(ビニール壁紙→重曹水、紙・布壁紙→エタノール)
- 汚れが目立つ箇所はメラミンスポンジで軽くこする
- 窓を開けて換気し、壁を乾燥させる
壁紙の種類によって適切な洗剤が異なるため、材質の確認が重要です。
拭き取りは必ず一方向に行い、行き来させないことがきれいに仕上げるコツです。
作業中はマスクと手袋を着用し、煤を吸い込まないよう注意してください。
使用後の道具は清潔に保ち、次回の使用に備えましょう。
4.床についた煤の落とし方
床についた煤の落とし方は、次のとおりです。
- HEPAフィルター付き掃除機でゆっくり丁寧に煤を吸い取る
- フローリングの場合はクレンザーや重曹で煤を浮かせる
- 床材に適した洗剤で拭き取る
- 柔らかい布やモップで仕上げ拭きをする
- 十分に乾燥させる
床材の種類に応じた適切な洗剤選びが成功の鍵です。
カーペットの場合は専用クリーナーを使用し、繊維の奥まで丁寧に清掃しましょう。
作業は小さな範囲から始めてください。
煤が舞い上がりやすい掃除機がけの際は特に要注意です。
必ず換気を行い、防塵マスクと手袋を着用して健康面への影響を最小限に抑えましょう。
5.煤汚れの落とし方を自力で実践するときのポイント
上記で解説した煤汚れの落とし方を自力で実践するときのポイントは、次のとおりです。
- 水や中性洗剤は使用しないようにする
- 煤汚れが広がらないように注意する
- 建材を傷めないように注意する
これらのポイントを意識しながら、煤汚れの除去作業を進めていきましょう。
ポイント1.水や中性洗剤は使用しないようにする
煤汚れの清掃では、一般的な掃除で使用する水や中性洗剤は避けるべきです。
なぜなら、水分を含んだ煤は建材に染み込みやすく、より落ちにくい汚れとなってしまうためです。
また、水分と煤が混ざることで、黒い染みとなって広がってしまう可能性も高くなります。
代わりに、水を使わずに煤を吸着可能なドライクリーニングスポンジや化学スポンジを使用しましょう。
また、掃除機を使用する場合は、必ずHEPAフィルター付きのものを選び、煤が舞い上がって再付着するのを防ぐこともポイントです。
ポイント2.煤汚れが広がらないように注意する
煤汚れを落とす際は、汚れを広げないように細心の注意を払う必要があります。
清掃は必ず上から下へ、一定方向に拭き取るようにします。
往復での拭き取りは、煤を広げてしまう原因となるため避けましょう。
また、使用する布や道具は、細かい繊維が出にくいものを選ぶのがおすすめです。
マイクロファイバーなどの細かい繊維は、煤を巻き上げて周囲に拡散させてしまう可能性があります。
清掃道具は小まめに取り替え、一度使用した面で別の場所を拭かないよう注意が必要です。
ポイント3.建材を傷めないように注意する
煤汚れを除去する際は、建材を傷つけないよう適切な道具と力加減を意識することが重要です。
特に壁紙や木材は傷つきやすいため、柔らかい素材の清掃道具を選びましょう。
強くこすると建材表面を傷つけたり、劣化を早めたりする可能性があります。
また、壁紙用のドライスポンジや、木材用のクリーナーなど、建材の種類に応じた用具を使いわけることもポイントです。
清掃の際には一度に広い範囲を清掃するのではなく、小さな範囲から試し拭きを行い、建材への影響を確認しながら作業を進めましょう。
6.煤汚れがひどい場合は業者への依頼を検討しよう
煤汚れの範囲が広く、自力での対応が難しいと判断した場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。
特に天井や壁の3割以上が煤で覆われている場合は、専門的な知識と技術を持った業者による清掃が必要です。
火災による煤汚れは、一般的な掃除用具や洗剤では対応が難しく、むしろ誤った方法で清掃することで建材を傷めたり、煤が広がったりする恐れがあります。
自力の清掃に不安を感じる場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。