カビの生えた賃貸物件の退去費用はいくら?負担者やカビの掃除方法も紹介

カビの生えた賃貸物件の退去費用はいくら?負担者やカビの掃除方法も紹介

カビの生えた賃貸物件の退去費用はいくらか気になっていますね?

もし、カビの除去費用が入居者負担となった場合、数万円の費用は覚悟しておかなければなりません。

しかし、カビはそもそも予防したり、実は除去費用はオーナー負担だったということもあります。

本記事ではカビによる退去費用の目安や負担の仕組み、カビ対策の方法を解説します。

目を通していただければ、退去費用の相場がわかり、不当に高い料金を支払うことも無くなるでしょう。

では、順番に説明していきます。

【賃貸のカビ問題】放置すると高額請求!?早めの対策がカギ!

「退去時に高額の請求を受けた…」そんな事態になる前に、カビを除去しませんか?

賃貸アパートで発生したカビは、放置すればするほど費用負担が増えるリスクがあります。

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1.賃貸アパートにカビが生えた場合の退去費用の目安

費用を表した画像

賃貸アパートでカビが発生した場合の退去費用は、カビの程度によって大きく変わります。

通常のハウスクリーニングで対応できるカビであれば、追加の請求がないケースも考えられます。

しかし通常の清掃では落ちない深刻なカビには、専門的なカビ取り作業が必要です。

カビ除去にかかった費用は、退去費用として入居者に請求される可能性もあります

具体的な金額の目安は、以下の通りです。

作業内容費用目安
水回りのカビ除去5,000~30,000円程度
壁や天井の石膏ボード交換30,000~60,000円程度
壁紙の張替え1㎡あたり約1,500円(6畳間で60,000~70,000円程度)

賃貸アパートのカビによる退去費用は、カビの生えた場所や深さ、作業内容によって数千円から数十万円まで幅があります。

カビの早期発見と適切な対処が、退去時の想定外の出費を防ぐポイントとなるでしょう。

カビ除去の見積もりや、賃貸物件での退去時の費用負担に関する情報は、こちらの記事で詳しく解説しています。

カビ取り業者の見積もり相場は?業者に依頼するメリットや優良業者の見極め方

2.退去費用の負担は入居者とオーナーどちらが負担する?

負担をしている人

カビが生えた賃貸物件の退去費用を誰が負担するかは、カビの発生状況や原因によって、異なります

  • オーナー負担になる場合
  • 入居者負担になる場合

それぞれの場合について、詳しくみていきましょう。

(1)オーナー負担になる場合

建物自体の問題や外的要因によってカビ、入居者の日常的な注意だけでは防ぎきれないカビが発生した場合は、オーナーが退去費用を負担します。

  • 構造上の問題や経年劣化で避けられないカビ
  • 雨漏りや漏水などが原因で起きたカビ

具体的な内容について、見ていきましょう。

構造上の問題や経年劣化で避けられないカビ

以下のように、建物自体の構造や老朽化が原因で発生したカビの対処費用は、オーナー負担です。

  • 建物の老朽化による過度の結露
  • 配管の構造上、特定の場所に水滴が溜まりやすい
  • 吸湿性の低いコンクリート打ちっぱなしの壁
  • 窓が開けられない構造で換気も困難

以上のように入居者の努力だけで解決できない問題は、建物の維持管理責任を負うオーナーが対処すべき事項です。

雨漏りや漏水などが原因で起きたカビ

雨漏りや配管からの漏水が原因で、天井や壁にカビが発生した場合、原状回復費用はオーナー負担です。

ただし以下のような状況では、入居者にも一部責任を生じる可能性があります。

  • 雨漏りや漏水の発生を速やかに報告していなかった場合
  • 一般的な範囲でのカビ予防努力を怠っていた場合

(2)入居者負担になる場合

日常生活での不注意や怠慢が原因で発生したカビは、入居者が退去費用を負担します。

具体的な内容について、見ていきましょう。

生活上の不注意によるカビ

日常生活の注意不足でカビが発生した場合、除去費用は入居者の負担となります。

該当するのは、いわゆる「善管注意義務」の範囲内で防げたと判断されるケースです。

善管注意義務とは、賃貸物件の入居者に課せられる一般的な注意義務のことを指しており、具体的には以下のような例が挙げられます。

  • 窓の結露を放置して起きたカビ
  • エアコンの水漏れを放置して起きたカビ
  • 換気不足が原因で発生したカビ

このような場合、除去費用は入居者の負担となることが多いです。

高額を請求されたときは消費者センターに相談

退去時に高額なカビ除去費用を請求された場合、以下の対応を検討しましょう。

  • 見積もりの内訳を明確に説明してもらう
  • 相場と比較して交渉を行う
  • 地域の消費者センターに相談し、適正な請求か判断してもらう

見積書にサインをしてから異議を唱えると、トラブルに発展する可能性もあります。

疑問点や不安な点は事前に相談して、解決することが大切です。

カビによる退去費用をどちらが負担するかは状況によって異なります。

消費者センターや専門家への相談も視野に入れながら、手続きを進めましょう

3.賃貸アパートでカビが生えやすい4つの場所

カビが生えた壁

主に湿気や水分が滞留しやすい場所は、カビが生えやすくなります。

以下の4か所は特に注意が必要です。

  • キッチン
  • 洗面所・浴室
  • 窓際
  • クローゼットや押し入れ

カビが発生しやすい理由と気を付けたい場所を詳しくみていきましょう。

場所1.キッチン

キッチンは調理や食器洗いで水を使う機会が多く、カビの温床となりやすい場所です。

場所カビの原因
シンクのゴムパッキン水が溜まりやすく、湿気が抜けにくい
シンク周辺の壁水はねによって常に湿った状態になりやすい
シンク下の収納スペース熱や湿気がこもりやすく、換気が不十分
冷蔵庫周辺水漏れに気づかず、壁や床にカビが発生することが多い

特にシンクのゴムパッキンは特にカビが生えやすい場所なので、マスキングテープを貼って予防するのも良いでしょう。

場所2.洗面所・浴室

洗面所・浴室は、家の中で最も湿度が高くなる場所です。

温水による蒸気が発生し、熱もこもりやすいため、カビの発生リスクが高まります

場所カビの原因
タイルの目地水が溜まりやすく、乾きにくい
浴室扉のパッキン常に湿っており、カビが生えやすい
浴室壁結露や水はねで湿った状態が続く
脱衣場の床湿気がこもりやすく、特に洗濯機の下
シャワーカーテン水滴が残り、乾きにくい

カビの発生に気づきにくい場所もあるので、定期的な点検と清掃が重要です。

場所3.窓際

窓際は室内外の温度差によって結露が発生し、カビへと発展しやすい場所です。

場所カビの原因
窓枠水滴が溜まり乾きにくいため、カビが発生しやすい
窓周辺の壁紙湿気を吸収し、壁紙の裏側でカビが広がることがある
カーテン水分を吸収し、乾きにくい状態が続くとカビの温床となる
窓下の床水滴が落ちて溜まりやすく、カビが発生しやすい

窓際のカビは壁紙や床材の劣化にもつながるので、早期発見と対処が重要です。

場所4.クローゼットや押し入れ

クローゼットや押し入れは空気が滞留しやすく、湿度が上がりやすい場所です。

場所カビの原因
壁や天井の隅換気が悪く、湿気が溜まりやすい
畳や木製の床が湿気を吸収しやすい
収納物の裏側詰め込みすぎで空気が流れにくい
レザー製品や礼服使用頻度が低く、カビが生えやすい

クローゼットや押し入れは見落としやすい部分が多いので、定期的な点検と換気が重要です。

賃貸アパートのカビは水回りや湿気の多い場所、換気が不十分な場所で起こりやすいです。

カビが生えやすい条件を意識したケアが、カビの予防と快適な住環境の維持につながります。

以下の記事では、部屋のカビ臭の対策方法についても解説しているので、併せてご参照ください。

部屋がカビ臭い場合の対処法は?原因や予防法についても解説

4.賃貸アパートに生えたカビを取りのぞく3つの方法

カビの生えた壁

退去費用を抑えるためには、自分でカビを除去するのも効果的な方法です。

賃貸アパートで生えたカビを取り除くには、以下の3つの方法があります。

  • エタノールで拭き掃除をする
  • カビ取りの洗剤で掃除する
  • 塩素系漂白剤に漬けこむ

比較的手に入りやすい材料を使用するので、自分で実践しやすいカビ除去方法です。

それぞれの特徴と使用方法を詳しくみていきましょう。

方法1.エタノールで拭き掃除をする

エタノールは高い殺菌効果を持ち、人体への影響も比較的少ないため、広範囲のカビ除去に適しています。

カビ取りには70~80%のエタノール濃度が最も効果的です。

これより高濃度のものはすぐに揮発してしまい、逆に効果が低下します。

エタノールを使用する際の注意点は、以下の3つです。

  1. 換気をしっかり行う
  2. 火気に注意する(エタノールは可燃性)
  3. 目立たない箇所で試してから使用する

エタノールには漂白効果がないため、カビが深く浸透し、完全に色が変わってしまった部分には効果が期待できません。

表面的なカビの除去や予防には適していますが、深刻なカビには他の方法と併用することをおすすめします。

方法2.カビ取りの洗剤で掃除する

タイルの目地やゴムパッキンなど細かい部分のカビ除去には、カビ取り専用洗剤を使用します。

粘度が高いので垂直面でも流れ落ちにくく、カビに長時間作用する効果が期待できます

カビ取り洗剤の使用方法は、以下の手順です。

  1. 洗剤を塗布する
  2. ラップで覆い、15~30分程度放置する
  3. ブラシでこすり、水で洗い流す

ラップで覆うことで洗剤が奥まで浸透し、漬け置きのような効果が得られます。

使用時の注意点は以下の通りです。

  • 必ず換気を行う
  • 手袋を着用し、皮膚に直接触れないようにする
  • 他の洗剤と混ぜない(特に塩素系漂白剤との併用は危険)

しっかり時間をかけてカビに作用させることで、通常の掃除では落としきれないカビも効果的に除去できます。

方法3.塩素系漂白剤に漬けこむ

洗えるものに対しては、塩素系漂白剤への漬け込みがおすすめです。

塩素系漂白剤はカビへの効果が高く、黒カビの除去にも使用できます。

塩素系漂白剤の使用方法は、以下の通りです。

  1. 製品の指示に従い漂白剤を水で薄める
  2. 対象物を溶液に30分程度漬け込む
  3. よくすすいで乾燥させる

塩素系漂白剤は成分が強いので、本来の色柄を漂白してしまったり素材を傷める可能性もあります。

使用時は以下の点に注意しましょう。

  • 必ず換気を行う
  • 手袋とマスクを着用する
  • 他の洗剤と絶対に混ぜない(有毒ガスが発生する危険性がある)
  • 色物や漂白に弱い素材には使用しない

目立たない場所でテストしてから、本格的に使用することをおすすめします。

また、賃貸物件でのカビの効果的な取り方や、退去時の費用負担について知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

自分でできるカビの取り方は?場所やおすすめのカビ取り剤、注意点まとめ

5.日頃から出来るカビを防ぐための対策

日頃から出来るカビを防ぐための対策

カビは高湿度の環境で発生しやすいため、日常的に湿気をコントロールすることが重要です。

特に賃貸物件では、カビが発生すると退去時の費用負担が増える可能性があるため、日頃から予防策を講じておくことが大切です。

ここでは、カビを防ぐための3つの具体的な対策を紹介します。

対策1.定期的に換気をして湿気を逃がす

室内の湿気をこもらせないために、定期的な換気が重要です。

特に、湿度の高い場所ではこまめに空気を入れ替えることで、カビの発生を防ぐことができます。

カビは湿度60%以上で繁殖しやすく、特に結露が発生しやすい窓際やクローゼット、浴室は湿気が溜まりやすいため注意が必要です。

空気の循環が悪いと湿度がこもり、カビの温床となります。

例えば、朝晩の2回、10~30分程度、窓を開けて空気を入れ替えることで、湿気を外に逃がせます。

梅雨時期や冬場の暖房使用時は特に湿度が上がりやすいため、サーキュレーターや換気扇を併用すると効果的です。

また、浴室やキッチンは使用後に換気扇を回し、湿気をすぐに排出するのが理想です。

毎日の換気を習慣化することで、湿気がこもるのを防ぎ、カビの発生を抑えることができます。

対策2.除湿剤や除湿機を活用して湿度を管理する

湿度のコントロールには、除湿剤や除湿機を活用することが効果的です。

特に湿度が高くなりやすい場所では、適切な対策を取ることでカビのリスクを軽減できます。

湿度が高くなると、カビが発生しやすくなります。

特にクローゼットや押し入れ、浴室、キッチンのシンク下などは、換気がしにくいため湿気がこもりやすく、カビが繁殖しやすい環境になっています。

クローゼットや押し入れには市販の除湿剤や乾燥剤を置くことで、湿気を吸収しやすくなります。

また、梅雨の時期や湿度が特に高い日には除湿機を使い、室内の湿度を50%以下に保つことが理想的です。

さらに、エアコンの除湿機能(ドライモード)を活用するのも有効です。

除湿剤や除湿機を上手に活用することで、湿気をコントロールし、カビの発生を未然に防ぐことができます。

対策3.こまめに掃除をしてホコリや汚れを溜めない

ホコリや汚れはカビの栄養源となるため、こまめな掃除を心がけることでカビの発生を防ぐことができます。

カビは湿気だけでなく、ホコリや汚れを養分として繁殖します。

特に、キッチンや浴室、窓際、家具の裏などはホコリや汚れが溜まりやすいため、放置するとカビの温床になってしまいます。

例えば、床や家具の裏を週1回程度掃除機がけするだけでも、カビの発生を抑える効果があります

また、窓際や浴室など湿気の多い場所はアルコールスプレーやカビ防止剤を使って定期的に拭き掃除をすると、カビの発生リスクを低減できます。

特に、浴室の水気は使用後に拭き取ることでカビの発生を大幅に抑えられます。

こまめな掃除を習慣にすることで、カビの発生を防ぎ、快適な住環境を維持できます。

カビの生えたアパートの退去には退去費用の相場を知ることが大切

賃貸アパートの入居者には原状回復義務があり、不注意や怠慢で生えたカビには退去費用を支払う必要があります。

しかし、すべてのケースで入居者が負担するわけではありません。

建物の構造上の問題や経年劣化によるカビの場合は、オーナー負担となることもあります。

  • 退去費用の相場を事前に調べる
  • カビの原因を明確にする
  • 日ごろからのカビ予防を心がける
  • カビを発見したら早めに対処する
  • 必要に応じて専門家に相談する

退去時に高額な請求を受けないためには、以上の点に注意しましょう。

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