部屋がカビ臭い場合の対処法は?原因や予防法についても解説

「カビ臭い部屋を何とかしたい」「窓を開けてもカビ臭さが消えない」「消臭剤を使っても一時的にしか効果が感じられない」といった悩みを抱えていませんか?
カビ臭い部屋の問題点は、単に不快な臭いがするというだけではありません。
カビの胞子を吸い込むことでアレルギー症状や呼吸器系の健康被害が引き起こされる可能性があるためです。
さらに、放置すれば壁や天井の劣化、大切な家具や衣類にまでダメージが及ぶこともあります。
しかし一度カビ臭くなってしまった部屋も、適切な対処法を知れば自分で改善できるケースが多いため安心してください。
本記事では、カビ臭い部屋の原因から具体的な対処法、さらには予防方法まで、だれでも実践できる方法を詳しく解説します。
カビ臭さに悩んでいる方や健康や家財への影響が気になる方は、ぜひ最後までご一読ください。
1.部屋がカビ臭い原因は主に4つ!
カビ臭の原因は、主に以下の4つです。
- 雨漏りや結露による壁や床の湿気
- 換気不足による室内の空気の淀み
- 汚れやほこりの放置
- カビ以外の要因による臭気
それぞれの原因について、以下で詳しく見ていきましょう。
原因1.雨漏りや結露
雨漏りや結露は、部屋のカビ臭さを引き起こすもっとも一般的な原因です。
特に冬場や梅雨の時期には、室内と外の温度差により窓や壁面に結露が発生しやすくなります。
この水滴が壁材や床材に染み込むことで、カビの繁殖に適した環境が作られます。
結露は目に見える場所だけでなく、壁の中や床下でも発生することがあり、気づかないうちにカビが広がってしまうこともあるほどです。
また、外壁のヒビや屋根の劣化による雨漏りは建物の構造体そのものを湿らせ、深刻なカビの温床となります。
早期発見と対策が重要なため、定期的な点検をおすすめします。
原因2.換気不足
換気不足は室内の湿度を上昇させ、カビの繁殖を促進する大きな要因となります。
エアコンの使用時や洗濯物の室内干し、調理の際には大量の水蒸気が発生し、この水蒸気が室内に滞留すると、壁や天井に結露が生じカビの発生につながるのです。
特に、気密性の高い新築住宅やリフォーム後の物件では要注意です。
24時間換気システムなどを備えていても、フィルターの目詰まりや設定の誤りにより、十分な換気ができていないケースは多々あります。
適切な換気を行わないと目に見えない場所でもカビが増殖してしまうため、注意しましょう。
原因3.汚れやほこり
汚れやほこりも、カビが発生する原因の1つです。
特に、家具の裏側や床の隅、クローゼットの奥など、普段の掃除が行き届きにくい場所には要注意です。
ほこりの中にはカビの栄養源である有機物が混ざっているため、カビの繁殖が促進されてしまいます。
また、エアコンのフィルターや換気扇、カーペットなどに付着した汚れも見逃せません。
清掃を怠ると室内全体にカビ臭が広がる原因となります。
カビ予防のためには、定期的な清掃と年に数回の大掃除を徹底しましょう。
原因4.カビ以外の原因
カビ臭いと感じるにもかかわらず、カビが見つからない場合、カビ以外の原因で臭いが発生している可能性があります。
例えば、下水管からの逆流や排水溝の詰まりによる臭気が、カビ臭さと似た不快な臭いだと感じることがあるためです。
特に梅雨時期や長雨の後は、下水管から臭気が逆流しやすくなります。
また、古くなった建材や湿気を含んだカーテン、カーペットなどの繊維製品からもカビ臭に似た臭いが発生します。
さらにエアコンの排水ホースの詰まりや、浴室・洗面所の排水トラップの水切れなども、不快な臭いの原因です。
これらが原因の場合は、カビ対策とは異なる方法で解決する必要があります。
2.カビ臭い部屋を放置することによる身の周りへの影響
カビ臭い部屋をそのまま放置すると、以下のような悪影響が及びます。
- 健康被害
- 住居の劣化
- 家具や衣類の劣化
大きな経済的負担や生活の質の低下を招くことになるため、早期発見・早期対策が重要です。
影響1.健康被害
カビ臭い部屋に長期間住むことで、深刻な健康被害が発生する可能性があります。
カビは目に見えない胞子を空気中に放出し続けるため、知らず識らずのうちに吸い続けた結果、アレルギー性鼻炎や気管支喘息などの呼吸器系の症状が現れやすくなるのです。
特に子供やお年寄り、既往症のある方は要注意です。
さらに、カビを吸い続けることで免疫力の低下を引き起こすリスクもあります。
免疫力が低下すると、風邪などの感染症にかかりやすくなるだけでなく、カビによる真菌感染症のリスクも高まります。
これらの健康被害を受ける前に、適切な対策を講じることが重要です。
影響2.住居の劣化
カビ臭い部屋を放置すると、住居自体にも大きなダメージを与えます。
最初は壁紙の変色や浮き、床材の膨らみなど、比較的軽微な症状から始まりますが、時間の経過とともに被害は深刻化します。
壁紙が剥がれ落ち、床材が腐食し、最終的には建材自体が劣化する可能性も捨てきれません。
特に注意が必要なのは、目に見えない部分での劣化です。
壁や床の内部に湿気が浸透することで、建物の構造体にまでダメージが及ぶこともあります。
このような状態になると、単なる表面的な修繕では対応できず、大規模な改修工事が必要になってしまいます。
修繕費用も高額になりやすく、資産価値の低下にもつながるため、早めに対処することが大切です。
影響3.家具や衣類の劣化
カビ臭い環境は、家具や衣類にも深刻なダメージを与えます。
特に木製家具や布製品は、カビの影響を受けやすい素材です。
初期段階では表面的な変色や臭いの付着程度で済みますが、放置すると家具の内部にまでカビが侵入し、腐食や劣化が進行します。
衣類の場合も、一度カビが発生すると完全な除去は困難です。
洗濯を繰り返しても臭いが取れず、シミや変色が残ってしまうため、着用は難しいでしょう。
またクローゼットの中でカビが広がると、他の衣類にも被害が及ぶため、早期発見と対策が不可欠です。
3.部屋がカビ臭いときの取るべき3つの対処法
部屋がカビ臭いときの対処法としては、以下の3つが挙げられます。
- 空気循環を促す
- カビ取り剤・塩素系漂白剤をかける
- カビ取り業者へ依頼する
状況に応じて、適切な対処法を選びましょう。
対処法1.空気循環を促す
空気循環を促すのは、カビの死滅に効果的です。
臭いの原因となっている箇所に扇風機またはサーキュレーターを設置することでカビの繁殖(生育)を抑制することが可能となります。
臭いの広がりを懸念するかもしれませんが、それは一時的な話で、中長期的に考えると換気や乾燥効果が期待できるので有用なのです。
また、冬場に扇風機と思う方がいるかも知れません。
ですが、冷気は下に溜まり、暖気は上に溜まる性質があるので、風向を調節することで暖気を部屋に循環させる温室効率(逆も然り)を高める効果も見込めるのです。
そのため、空気循環はカビの死滅に効果的だと言えます。
対処法2.カビ取り剤・塩素系漂白剤をかける
市販のカビ取り剤や塩素系漂白剤は、臭いの元となるカビの菌核または芽胞を除去できます。
薬剤を直接カビの箇所に吹きかけ、10分程度置いてから水で洗い流せば完了です。
なお、カビ取り剤や塩素系漂白剤を使う際は必ず換気を十分に行い、マスクやゴム手袋を着用してください。
また強アルカリ性の塩素系漂白剤は、他の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する危険もあるため、必ず注意書きを守りましょう。
一方で、市販のカビ取り剤は漂白効果が高く、カビの死滅という成果が視覚的にわかりにくいです。
そのため、1ヶ月に一回など定期的にカビ除去作業を行っている環境については、市販のカビ取り剤では除去できていない可能性が高いと言えます。
対処法3.カビ取り業者へ依頼する
壁の中や床下など、目に見えない場所まで広がったカビの場合は、専門業者への依頼がもっとも確実です。
プロの技術と専用機材を使うことで、一般家庭では対処が難しい深刻なカビ被害も完全に除去できます。
業者による施工では、まずカビの発生原因を特定してから適切な処置が選択されるのが一般的です。
特殊な薬剤による殺菌処理や、必要に応じて壁材の交換なども実施してくれるほか、湿気対策や換気システムの改善など、再発防止のためのアドバイスも得られます。
見積もりは無料の業者も多いので、カビの範囲が広い場合やカビ臭が取れない場合は、相談してみることをおすすめします。
4.見つけにくいのにカビが発生しやすい場所はどこ?
部屋がカビ臭いのに発生源を見つけられないという場合は、以下を重点的にチェックしましょう。
- エアコンの内部
- カーテン・ブラインドなどの窓周り
- トイレのタンクの中
これらの場所は湿気が溜まりやすく、日常的な掃除も行き届きにくいため、カビの格好の繁殖場所です。
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
場所1.エアコンの内部
エアコンの内部は、カビがもっとも発生しやすい場所の1つです。
特に冷房運転時は、熱交換器の表面で空気中の水分が結露し、その水滴が内部に溜まります。
この湿った環境が、カビの繁殖を促進させる原因となってしまうのです。
エアコンの内部にカビが発生すると、エアコンを起動した際、カビ臭い空気が部屋中に広がってしまいます。
また、カビの胞子が室内に飛散することで、健康被害のリスクも高まります。
予防には、2週間に1回程度のフィルター清掃と、年1回以上の専門業者による内部クリーニングが効果的です。
特に梅雨明けや冷房シーズン終了後には、必ずエアコン内部の清掃を行いましょう。
場所2.カーテン・ブラインドなどの窓周り
カーテン・ブラインドなどの窓周りは外気との温度差により結露が発生しやすいため、特に冬場は要注意です。
結露した水分がカーテンやブラインドに染み込み、そこにほこりが付着することで、カビの温床となってしまいます。
カーテンのすそや、ブラインドの羽根の裏側は特に要注意です。
これらの場所は普段の掃除では見落としやすく、カビが繁殖しやすい環境です。
カーテンは月1回以上の洗濯を心がけ、ブラインドは週1回程度、除菌クリーナーで拭き取り掃除を行いましょう。
また、窓周りの結露は必ず拭き取り、換気を十分に行うことで、カビの発生を防ぐことができます。
場所3.トイレのタンクの中
トイレのタンクの中は常に水が溜まっている上に暗く、空気の流れも悪いため、カビが繁殖しやすい環境です。
特に水が循環しにくい部分やタンクの蓋の裏側にカビが発生しやすく、気づかないうちに部屋全体に臭いが広がることもあります。
タンク内部のカビ対策には、3か月に1回程度の清掃が推奨されます。
市販の塩素系洗剤を使用し、タンク内部を丁寧に洗浄することで、カビの繁殖を防ぐことが可能です。
また、タンクの蓋を開けた状態で数時間換気を行うことも効果的です。
清掃後は、市販の防カビ剤をタンク内に設置しましょう。
5.カビ臭い部屋にしないために出来る3つの予防方法
カビを掃除して臭いを取り除いても、適切な予防対策を行わなければすぐに再発してしまいます。
そのため、以下の3つの予防方法を日頃から実践することが大切です。
- こまめに掃除をする
- 部屋を除湿する
- 部屋を換気する
それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。
予防方法1.こまめに掃除をする
カビの発生を防ぐためのもっとも基本的な方法は、定期的な掃除です。
カビは目に見えない小さな胞子から発生し、部屋に溜まったほこりや汚れがその栄養源になります。
特に家具の裏側や床下、壁の隅などは掃除が行き届きにくく、知らないうちにカビが繁殖しやすいため要注意です。
週に1回は重点的に掃除し、掃除機やモップで丁寧にほこりや汚れを取り除きましょう。
また、拭き掃除の後は必ず乾拭きを行い、余分な水分を残さないことが重要です。
予防方法2.部屋を除湿する
カビの繁殖を抑制するには、室内の湿度管理が不可欠です。
カビは湿度70%以上の環境で活発に繁殖するため、室内の湿度は50%以下に保つことが推奨されます。
日頃から除湿機やエアコンの除湿機能を活用するほか、押し入れやクローゼットなど空気の流れが悪い場所には除湿剤を設置しましょう。
除湿剤は定期的に交換することで、効果を持続できます。
湿度計を設置して数値を確認しながら除湿するのも効果的です。
予防方法3.部屋を換気する
カビ予防のためには、こまめに部屋を換気しましょう。
朝と夕方の涼しい時間帯に、窓を全開にして5分程度の換気を行うのが効果的です。
また料理や入浴の後は水蒸気が発生するため、必ず換気を行ってください。
効率的な換気のために、換気扇やサーキュレーターを活用することもおすすめです。
2か所以上の窓を開けて空気の通り道を作り、換気扇やサーキュレーターで空気を循環させることで、部屋の隅々まで新鮮な空気が行き渡ります。
また、天気の良い日には布団やカーペットも外に干して、十分に換気することが大切です。
部屋がカビ臭い場合は適切に対処しましょう
カビ臭い部屋を放置すると、健康被害や住居・家具・衣類の劣化など、深刻な問題に発展する可能性があります。
特に大切なのは、カビ臭さを感じた初期段階での対応を徹底することです。
軽度な場合は熱湯処理や市販のカビ取り剤・塩素系漂白剤で対応できますが、広範囲に及ぶ場合は迷わずプロの力を借りることをおすすめします。
カビ取り業者への依頼は一時的な出費になりますが、長期的に見ればむしろ経済的な選択です。
そしてもっとも大切なのは、カビを「予防」する習慣づくりです。
こまめな掃除、除湿、換気を習慣化することで、カビの発生リスクを減らすことができます。
特に梅雨時期や結露が発生しやすい季節は、より意識的な対策を心がけましょう。