火災ごみを片づける手順は?費用の目安や必要なものについて解説

火災ごみを片づける手順は?費用の目安や必要なものについて解説

火災後の片付けに直面すると、多くの方が「火災で焼けた家具や建材をどう処分すればいいのだろう」「自治体の収集ルールがよくわからない」「業者に依頼すべきか迷っている」といった悩みを抱えます。

火災ごみの片付けは一般的なごみの片付けとは大きく異なります。

適切な分別や処理方法を知らないまま進めてしまうと、自治体から収集を拒否されたり、近隣とのトラブルを引き起こしたりすることも少なくありません。

そのため、自力で対応できるケースと業者への依頼が必要なケースを見極め、適切な方法で処理を進めることが大切です。

本記事では、火災ごみの片付け方について、自力での対応方法から業者への依頼のポイントまで、具体的な手順とともに解説します。

「火災後の片付けをどう進めればいいのか不安」「できるだけ費用を抑えて対応したい」という方は、ぜひ最後までご一読ください。

1.火災ごみの片づけは自力で行える?

火災ごみの片づけは自力で行える?

火災ごみの片づけを自力で行えるかどうかの判断基準について、以下の2つのケースにわけて詳しく解説します。

  1. 自力で行える場合
  2. 業者の利用が推奨される場合

それぞれ見ていきましょう。

ケース1.自力で行える場合

火災の被害が小規模で、燃えた範囲が一室程度の場合は、自力での片付けが可能です。

特に、家具や建材の焼損が限定的で、自治体の一般ごみ収集で対応できる量であれば、自力で処理を進められます。

具体的には、カーテンや小型家具など、持ち運びが容易なものが中心の場合が該当します。

また、壁や床の一部が焦げた程度で、建物の構造に影響がない状況でも自力での片付けが検討できるでしょう。

ただし、自力で片付けを行う場合でも、必ず自治体の定める分別ルールや収集方法を確認し、従う必要があります。

また、火災保険に加入している場合は、保険会社に相談してから作業を始めることをおすすめします。

記録写真を撮影するなど、保険請求に必要な証拠を残しておくことも重要です。

ケース2.業者の利用が推奨される場合

火災の被害が大規模で、複数の部屋や建物全体におよぶ場合は、専門業者への依頼を強く推奨します。

特に、天井裏まで延焼した場合や、建物の構造部分が損傷している場合は、安全面から考えても専門家による判断・対応が必要です。

また、プラスチック類や化学物質を含む建材が燃えた場合、有害な煤や残留物が発生している可能性があります。

このような状況では、適切な防護具や専門的な清掃機材が必要となり、素人による作業は健康被害のリスクが高まります。

水損被害が併発している場合や、電気系統に被害が及んでいる場合も、漏電や二次災害の危険があるため、必ず専門業者に依頼すべきです。

大量の廃材が発生する場合も適切な処理が必要となるため、許可を持った業者による処理が不可欠です。

2.火災ごみの片づけに必要な費用の目安

火災ごみの片づけに必要な費用の目安

以下のケースごとに、具体的な費用の目安を解説します。

  1. 自力で片付ける場合の費用
  2. 業者に依頼する場合の費用

それぞれ参考にしてください。

ケース1.自力で片付ける場合

自力で火災ごみを片づける場合、主な費用は必要な道具や消耗品の購入費用と、自治体への処理費用です。

まず、ごみ袋や軍手、マスクなどの基本的な道具と消耗品で1,000円から5,000円程度の費用が必要です。

自治体の廃棄物処理費用は地域によって料金体系が異なり、数千円から数万円の幅があります。

一般的な可燃ごみとは別枠で処理される場合も多く、事前に自治体への確認が必要です。

また、大型の家具や建材は粗大ごみ扱いとなり、別途処理費用がかかることがあります。

火災保険に加入している場合はこの費用が補償される可能性もあるため、保険会社への確認をおすすめします。

自力での片づけは費用を抑えられる反面、労力と時間がかかることも考慮した上で判断しましょう。

ケース2.業者に依頼する場合

業者に火災ごみの片づけを依頼する場合、費用は被害規模や地域によって大きく変動します。

もっとも小規模な軽トラック1台分の処理で約45,000円から75,000円、中型トラック1台分になると約約100,000円から150,000円となります。

一般的な30坪2階建て木造住宅の火災現場を片付ける場合、およそ100万円〜400万円の費用が必要です。

この費用には、廃棄物の分別、搬出、処分費用に加え、作業員の人件費や重機のレンタル料なども含まれます。

見積もり金額は業者によって差が出やすいため、複数の業者から見積もりを取るようにしてください。

また、火災保険の補償内容を確認し、適用される範囲を把握しておくことで、自己負担額を最小限に抑えることが可能です。

3.火災ごみの片づけを行うために必要なもの

火災ごみの片づけを行うために必要なもの

火災ごみの片づけを行うために必要なものは、次の4つです。

  1. 罹災証明書の申請
  2. 保険会社への連絡
  3. ライフラインの停止手続き
  4. 近隣住民への挨拶

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

必要なもの1.罹災証明書の申請

罹災証明書は、火災による被害状況を証明する公的な書類で、保険金の請求や税金の減免申請などにも必要になる重要なものです。

罹災証明書があることで、火災ごみの処理や各種支援制度の利用がスムーズになります。

罹災証明書の申請は居住地の市区町村役場で行えます。

なお、罹災証明書の取得には消防署による火災の事実確認と被害状況の調査が必要です。

発行までに時間がかかる場合もあるため、できるだけ早めに申請することをおすすめします。

申請時には、運転免許証などの本人確認書類と印鑑を持参してください。

自治体によって必要書類や手続き方法が異なることがあるため、事前に窓口で確認しましょう。

必要なもの2.保険会社への連絡

火災保険に加入している場合、できるだけ早く保険会社に連絡することが重要です。

保険会社への連絡は、火災発生後24時間以内が望ましいとされています。

連絡の際は、火災の発生日時、場所、被害状況などを正確に伝えましょう。

また、保険金請求のために、被害状況を写真や動画で記録しておくことが必要です。

できるだけ多くのアングルから撮影し、被害の全体像が分かるようにしましょう。

また保険金の支払いまでには一定の時間がかかるため、早めの対応を心がけてください。

必要なもの3.ライフラインの停止手続き

火災後は、安全確保のためにライフラインの停止手続きが必要です。

項目対応
電気電力会社に連絡し、一時的な供給停止を依頼する
ガスガス会社に連絡して供給を停止してもらう
水道市区町村の水道局に連絡し、使用停止の手続きを行う

これらの停止手続きは、二次災害を防ぐために重要です。

また復旧工事後の再開手続きも考慮に入れ、各事業者に確認しておきましょう。

停止期間中の基本料金の扱いについても、この時点で確認しておくと安心です。

例えば、東京電力であれば、10,000円弱で漏電もチェックしてくれるので併せて行うのも良いでしょう。

なお、手続きの際には契約者本人の確認が必要となるため、身分証明書を用意してください。

必要なもの4.近隣住民への挨拶

近隣住民の生活に影響を与える可能性があるため、作業開始前に近隣住民への挨拶と説明が必要です。

  • 作業の予定期間
  • 作業時間
  • 予想される騒音や粉じんの程度

これらを説明し、理解を求めましょう。

特に大型車両の出入りや作業音が発生する場合は、事前に説明することでトラブルの予防につながります。

また、火災の影響で近隣の建物や物品に被害が及んでいないかも確認し、必要に応じて対応を検討しましょう。

4.自力で火災ごみを片付けるときの手順

自力で火災ごみを片付けるときの手順

自力で火災ごみを片付けるときの手順は次のとおりです。

  1. 被害状況の確認
  2. 準備
  3. ごみの分別
  4. 自治体の収集ルールにしたがって搬出
  5. 清掃と除菌

安全かつ効率的に作業を進めるため、それぞれの手順について詳しく見ていきましょう。

手順1.被害状況の確認

火災ごみの片付けを始める前に、まず被害状況を詳しく確認します。

  • 建物の構造的な損傷の有無を慎重に調べる
  • 天井や壁の崩落の危険がないかを確認する
  • 電気系統や配管の損傷を確認する

危険な状態が見られる場合は、無理に自力で片付けを行わず、専門家に相談することをおすすめします。

また、火災保険の査定のため、被害状況を写真や動画で記録しておくことも重要です。

自力での片付けが可能と判断できる場合でも、必ず防護マスクや手袋を着用し、安全に配慮して作業を進めましょう。

手順2.準備

片付けを始める前の準備として、まず必要な手続きを行います。

先述の通り、罹災証明書の申請・保険会社への連絡・ライフラインの停止手続き・近隣住民への挨拶を速やかに実施しましょう。

また掃除用具は、状況に応じて以下を用意するのがおすすめです。

  • ほうき
  • ちりとり
  • スコップ
  • ごみ袋(45L以上の大型)
  • 防護マスク
  • ゴム手袋
  • 防護メガネ
  • 作業着
  • 安全靴

分別用のコンテナや一時保管用のブルーシートなども準備しておくと便利です。

手順3.ごみの分別

火災ごみの分別は、自治体のルールにしたがって慎重に行います。

燃えた家具、衣類、紙類は可燃ごみとして分類し、ガラス、金属類、陶器類は不燃ごみ、大型家具や家電製品は粗大ごみとして分別してください。

大きな家具や建材は、自治体の規定に合わせてサイズを調整し、必要に応じて解体作業を行います。

ガスボンベ、塗料、スプレー缶などの危険物は必ずわけるようにしましょう。

そのほか、金属や電子機器など再利用可能なものは、リサイクル業者への依頼を検討します。

分別に困るものがあれば、自治体の収集ルールを確認するようにしてください。

手順4.自治体の収集ルールにしたがって搬出

火災ごみの搬出は、必ず自治体の定めるルールにしたがって行ってください。

まず、市区町村の窓口やホームページで火災ごみの特別収集の申し込み方法を確認します。

処理料金や搬出場所、収集日程などの詳細を把握し、指定された方法で申請を行いましょう。

また、搬出時は分別したごみを指定された場所に決められた時間内に出すことが必要です。

近隣の迷惑にならないよう、整然と置くことを心がけましょう。

手順5.清掃と除菌

ごみの搬出が完了したら、最後に清掃と除菌作業を行います。

前提として、煤汚れがついた箇所が多孔質(木製や壁、フローリング)であれば、水ぶきしてしまうと煤が奥まで入ってしまう為、逆に落とせなくなってしまうケースがあるので、この場合は業者に掃除を依頼するべきです。

逆に、非多孔質(ガラスや陶器/プラスチック製)のものは洗うもしくは専用の薬品で煤汚れを落としても問題ありません。

まず、残った燃え残りや煤汚れを丁寧に掃除し、重曹水や専用洗剤を使用して、壁や床の拭き掃除を実施します。

特に煤汚れは放置すると落ちにくくなるため、早めの対応が重要です。

臭いや汚れが気になる場所には、エタノールや消臭剤を使用してください。

家具や建材に付着した煤や有害物質は、専用のクリーナーも有効です。

臭いや汚れが落ちない場合は程度がひどい場合はプロの清掃業者に依頼することも検討しましょう。

5.火災ごみの片付けを業者に依頼するときのポイント

火災ごみの片付けを業者に依頼するときのポイント

火災ごみの片づけを業者に依頼する際は、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

  1. 信頼できる業者を選ぶ
  2. 見積もりを複数取得する
  3. 火災保険が適用されるかを確認

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

ポイント1.信頼できる業者を選ぶ

火災ごみの片づけを依頼する業者選びは慎重に行う必要があります。

特に、インターネットの口コミサイトや地域の評判は判断材料になります。

また、火災現場には有害物質が含まれている可能性があるため、専門の機材や資格を持っているか、処理実績が豊富かの確認も重要です。

ポイント2.見積もりを複数取得する

火災ごみの片づけ費用は業者によって大きく異なるため、最低でも3社以上から見積もりを取得することをおすすめします。

見積もり時には、以下を必ず確認しましょう。

  • 作業内容
  • 作業範囲
  • 廃棄物の種類と量
  • 作業期間
  • 使用する機材
  • 人員配置

また不明な点があれば、その場で質問して確認することが重要です。

追加費用が発生する可能性がある条件(作業時間の延長、予想以上の廃棄物量、特殊な処理が必要な場合など)についても、事前に確認しておきましょう。

これらの見積もり内容を比較検討することで、適正な価格で信頼できる業者を選ぶことができます。

ポイント3.火災保険が適用されるかを確認

火災ごみの片づけ費用は、火災保険でカバーできる場合があります。

まずは加入している火災保険の契約内容を確認し、保険会社に相談しましょう。

相談時には保険適用の可否や補償範囲について、詳しく説明してもらうことが重要です。

保険を利用する場合は、罹災証明書などの必要な書類をすべて準備する必要があります。

また、火災現場の写真や動画、被害状況の記録、修理や清掃の見積書なども請求時に必要なため、事前に確認・用意しましょう。

6.火災ごみの片付けが難しいと感じる場合は業者への依頼を検討しよう

火災の被害が小規模な場合は片付けを自力で行うことも可能ですが、作業量や安全面を考えると、専門業者への依頼を検討する価値があります。

特に、被害範囲が広い場合や、構造材に影響がある場合は、業者による適切な処理が推奨されます。

業者に依頼する場合は、複数社から見積もりを取得し、実績のある信頼できる業者を選ぶことがポイントです。

もし自力で片付けを行う場合は自身の体力や時間的な制約、専門的な知識の有無を考慮し、無理のない範囲で作業を進めることが大切です。

状況に応じて自力での対応か業者への依頼かを判断し、安全かつ効率的な片付けを心がけましょう。

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